人は少なからず最強に憧れるもの。男なんて特にそうだ。

実は誰よりも隠れた実力を持っていたり、壮絶な過去があったり、誰も知らないことを知っていたり、世界を脅かすような代物が作れたり。

誰しもが一度は頭の中で思い描く、物語という名前の夢があるでしょう。

魔法科高校の劣等生は、今の時代よりも1世紀近く後の2095年から始まる、もし現代から魔法が発展した世界になったら、というSFもの。

国立魔法大学付属第一高校。通称『魔法科高校』は成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成され、彼らはそれぞれ『花冠 (ブルーム)』、『雑草 (ウィード)』と呼ばれていた。そんな魔法科高校に血の繋がった兄妹が入学する。兄は、ある欠陥を抱える劣等生 (ウィード)。妹は、全てが完全無欠な優等生 (ブルーム)。どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。

主人公である劣等生の司波達也と、ヒロインで実妹の優等生の司波深雪。

出来の悪い兄と優秀な妹。表向きにはそう見えて、実際に妹の深雪は十ある魔法大付属高校の中で最も優秀な第一高校で総代を務めてるほど超優秀。
ですが、いくら同じ年齢内では突出していたとしてもその優秀さはあくまでも普通の範囲内。

達也の場合、規格そのものが全く違うので誰かと比べる意味も必要もありません。

魔法科高校の劣等生において、最強という言葉は彼のためにあるようなもの。
作品を楽しむために、司波達也を知らないと始まりません。

最強は意味もなく出てきてしまうと、その作品は瞬時に駄作になります。
達也はどうでしょうか。まずは主人公に迫ってみましょう。

世界最強の魔法師 司波達也

入学した魔法科第一高校では劣等生の烙印を押された主人公の司波達也。

彼が劣等生である理由は、高校という狭い世界の中でしか適用されないもの。

30cmの定規で29cmか、30cm以上か。数値だけ見るとそこまで差が無いように見えるかもしれませんが、評価というものは計るものさし1つで大きく変わるもの。
定規では長さしか計れず、高さ、深さ、重さといったものは評価には入らずに貶められるのが、今回の魔法科高校の仕組みのひとつ。
学校の成績でしか見ない生徒たちや、事情を知らない大人たちは声を挙げて彼をバカにします。劣等生のくせに、と。

実際は魔法科高校において成績とは別種の強み・・・というより次元が違う能力を備えているので、理解のしようがないのが本当のところ。

その差を例えるなら騎馬や歩兵が戦場の中心だった戦国時代で、ゼロ戦(※日本軍の戦闘機)で相手を粉々に打ち砕くくらい。デストローイ!!

なぜ達也はそこまで異能を持ち合わせたのかというと、産まれてから育っていく過程でそうなるように作られていったから。

母親は日本最強の魔法師の家系”十師族”のひとりで、父親はサイオン(魔力のようなもの)保有量を莫大に持った元魔法師。
特殊な魔法を持ち、普通の魔法師として産まれなかった達也は、幼い頃に兄妹愛を除く感情のほとんどを失う変わりに魔法を使えるようになる最低限魔法師になれる程度に魔法を操る力を手術で植えつけられます。

この特殊な魔法・・・分解と再生こそが達也が最強である理由・・・の1つ。他にも山ほどあるのがお兄様。

どちらもサイオンの消費量が多すぎて、通常の魔法師では使うことができないんですが、達也の場合は父親引き継いだサイオン量を以って実践投入を可能にしています。
特に分解は対象が手で触れられる物体に限らず、データなどの情報体も分解が可能。つまり、やろうと思えば人を分子、原子レベルにまで分解することが可能。そんな魔法が最強でないわけがありません。

この魔法の最大到達点が、マテリアル・バーストと呼ばれる分解魔法。
対象をエネルギー変換することで、全てを分解ができる究極の魔法。
物体が相手なら質量や大きさに関係なく何もかも分解するので、やろうと思えば地球すら跡形も無く吹き飛ばせる、地球破壊爆弾。地球どころの話じゃないんですが。

分解と再生は魔法科高校を含め、外で簡単に使うわけにはいかないので、達也は感情の大部分の変わりに植えつけられた頼りない魔法操作力を中心に高校生活を過ごすことになり、結果劣等生と言われることになります。

劣等生と罵られようが、彼は気にも留めません。

情動、感情のほとんどを無くされた達也に強く残された感情は深雪への兄妹愛のみ。
深雪に関しない出来事には興味がないので、世界征服はもとより復讐や享楽で力を振るうことは一切ありません。そのような感情は存在しないから。

魔法科高校の劣等生のいいところ

文句なしで世界最強のお兄様がもたらす爽快感

俺TUEEE!の最たるものと言っていい魔法科の一番の魅力でもあり特長でもある、司波達也が持つ世界最強の能力。
高校レベルではエリートが相手だろうが十師族が相手だろうが、基本的に全く相手になりません。そりゃ物体が存在する根幹を崩せるわけですから、無敵どころの話ではありません。

彼が本気を出すのは、妹の深雪を害そうとする”敵”に対してのみ。
“敵”が達也を知った後では命乞いをしようが、抵抗しようが、泣き喚こうが、本気になった彼の前では全てが無意味。

達也と敵対することになった相手は例外なく、なぎ払われることになります。

「いいぞ!やっちまえ!!」とテレビの前で戦隊ものやライダーシリーズ、果てはプリキュアに至るまで、圧倒的な強さからもたらされる爽快感。
しかも彼はその歪な生まれによる感情の欠落から、精神的に動揺することがあり得ないので、ヒーローものによくある「一度負けてから巻き返す」ことは一切ありません。

達也の周囲で起きる事件・事故を解決していく上で、相対した敵は清々しいくらい吹っ飛ばされていく様は、相当なカタルシスを感じられるはず。

練られた世界観と現代と魔法の世界

魔法と言えば本来はファンタジー世界で登場する要素ですが、魔法科の場合はより現代に添った世界が舞台。

私たちの世界とは2000年頃から枝分かれしていて、超能力の研究から始まり魔法の開発が進みます。
2045年から始まった第三次世界大戦が20年間続き、魔法師が台頭。達也たちの物語が始まる2095年まで魔法の時代が続く。

こういった大きな設定から、細やかな設定までよく練られてるなぁと思います。

他の作品では異世界転生して魔法使えるようになってた、とかそういえばRPGではこんな感じだったな!ファイア!とか現代チックな世界観であっても、結局はファンタジーに引きずられているものの方が多いです。

魔法の使い方1つ取ってもどんな仕組みがあるのか、システムはどうなっているか。
きっちりと説明されているので、より真実味が帯びて納得しやすいように感じますね。

劣等生に込められた意味

作品タイトルの”劣等生”は達也を指していますがご存知の通り、学校という括りの中でしか適用されない程度のもの。
実際には劣等生どころか、宇宙に君臨するレベルのラスボスに匹敵するクラスなんですが。なんというニャルラトホテプ。

魔法科ではコンプレックスを持っていたり、魔法の影響で歪んでしまったりと様々な原因で劣等生に甘んじてしまっている者も多く登場します。

達也は能力的な成長はあっても、根本にある信念や精神性はブレることがないので、すでに成長は終わっているようなもの。
主人公として成長していく物語にはどうあってもならないんですよね。

ですが、仲間達の多くはいくら魔法が使えると言っても所詮は高校生でしかありません。
能力的にも精神的にも未熟。しかも劣等生と言われていれば、卑屈にもなるもの。

達也が所属することになる2-Eは二科生クラス。達也と行動を共にする仲間の多くは、同じ劣等生の烙印を押された者。

そんな仲間達が物語と達也を通じて、成長していく過程を見ていくのも “魔法科高校の劣等生” の醍醐味の1つ、何人かは明らかに達也より主人公してますからね。

人当たり良くて、直情だけど誰とでも仲良くなれて、脳筋ガン振りで、仲間のために常に全力を出す男。

超主人公してるわ。こんな良キャラがガンガン見られるのも魔法科ならでは!

悪いところ

専門用語が多すぎる

CAD、サイオン、キャストジャミング、グラムデモリッション、グラムディスパージョン、マテリアルバースト・・・etc、エトセトラ、などなど。

魔法科では、その世界観を表現するために広大な設定が存在しているのは上でもお話した通り。
変わりに魔法における専門用語が鬼のように存在し、作品を完全に理解するためにはそれら用語の理解が多少なりとも必要になってきます。。

たとえば、CADは正式名称を”術式補助演算機”と呼び、詳細はこんな感じになります。

魔法を発動する為の起動式を魔法師に提供する補助装置で、「感応石」と呼ばれるサイオン信号と電気信号を相互変換する合成物質によって魔法師と疎通する

なるほど、分からん。

とまぁ冗談はさておき、RPGやファンタジー世界での杖や呪符、魔法書のようなものが現代で活用されたもの。

これはまだ簡単な方で、サイオンはかなり重要な要素ながら、説明を聞いても分かりにくくて簡単に言うなら “魔力のようなもの” と考えればいいんですが、実際はもっと細かい設定がされています。

アニメでは小説と違い活字での説明が全くできないので、気にかけつつ見ていかないと一気に置いてかれます。気にかけていても一気に置いてかれます。ダメじゃん。

ファルシのルシがコクーンでパージする程度にはなんのこっちゃ分からないことも多いので、じっくりと理解しながら見るには少々ハードルが高いのはデメリット。

逆に頭空っぽにして達也の最強さを見るだけの方が、分かりやすいのかもしれません。

変わりにwikiの情報量がめちゃくちゃ豊富なので、情報の補完は難しくないです。
興味を持った際には手元に残しておきたいサイトですね。逆に読み物が好きな人はとっても時間が取られるのでご注意を。

クセが強いものが多い劇中音楽

魔法科のアニメ版で流れる音楽は地味にクセが強く、人を選ぶこと。


これは作中の九校戦の競技中などに流れる音楽。先に言っておきますが、決してダメじゃないんですよ。

最初にけたたましく鳴る笛の音が、競技中のシリアスさと相まってとにかくシュール。その後の歌はいいんですがね・・・。


このMagical chaseなど、れっきとした名曲も存在するので、だからこそ惜しい。

真剣に見ていきたい場面で、ちょっとでも笑っちゃうのは問題。アニメやゲームにおいて音楽は超重要ですからね!ここは頑張ってほしかった。

魔法科高校の劣等生 LOST ZERO

2019年1月現在、魔法科高校の劣等生をモチーフに配信されているアプリがLOST ZERO。
開発元はスクウェアエニックス、ジャンルは魔法バトルRPG、2014年9月4日から配信中。

やってみた感想としては、あくまでファンアイテムの1つといった印象。いわゆるキャラゲー。

ゲーム部分がそこまで優れているわけではなく、魔法科原作を知らない人にはせっかくのストーリーの魅力もオリジナルストーリーでは半減です。そもそも理解しにくいですから。

バトル部分にあんまり迫力が無くて、手持ちのキャラがミニキャラでひょこっと動いて通常攻撃。魔法を使ってはいるんですが、特に特筆するべきところは無し。
これだけだとダメなゲームにしか見えませんが、スキルを使うときのカットインはしっかり作られているのでここを評価したい。

全部をひっくるめて、魔法科高校の劣等生そのものが好きなら楽しみやすい内容。
ストーリーはオリジナル。原作キャラは全員登場し、季節限定やコラボでコスチュームが変わり、セリフも変わり、カットインが変わる。
原作好きなら見てみたいポイントじゃないですか!手に入るかは知ったことじゃないですけどね!!おとなしく課金しよ?

 

真由美さんが原作では全く縁がないポーズを披露してくれるのはLOST ZEROだけ!!手に入るかは(略

まとめ アニメから原作、アプリと広げていく作品の魅力をここに

達也の最強ぶりばかりが目立つ魔法科高校の劣等生ですが、緻密な世界の練り込み、多彩で個性的な登場人物など、魅力的なポイントは多いので、達也にばかり目を奪われてしまうと実にもったいないです!

・難しい部分も多いが、だからこそ読める小説版
・丁寧な作りで動きもしっかりしていて見応えがあるアニメ版と劇場版
・外伝的ストーリーながら、ファンアイテムとしての評価が高く4年以上続くスマホアプリ版

触りとして見るならおすすめはアニメ。全体的に上手く作られていて、初見で一番楽しみやすいのが決め手ですね。

アニメから入って、面白くてテンション上がってきたら小説を一から読み返すのもアリですし、アニメ終了後からのストーリーを押さえにいくのもまたアリ。

※画像クリックで直接ページに飛びます!
アニメはいつもどおりhuleさんが見やすいのと期間が限られていないのを合わせておすすめ。

>>huluの無料トライアル体験はこちらから!

小説は最初から見るなら当然1巻から。アニメ後から追うなら8巻から、途中5巻の夏休み編はアニメではカットされたので、気になったらこっちもいいかも。