さまざまなジャンルのスマホアプリが乱立するようになった昨今、シミュレーションRPGも面白いアプリが多々増えました。

「今まであんまりシミュレーションRPG触ったことないけど、なかなか面白いやんけ・・・。」

そう考えちゃったあなたに対して、シミュレーションRPG界のイチローこと(?)ファイアーエムブレムシリーズの紹介をしたいと思います。
スマホ版でもファイアーエムブレムヒーローズが配信されていますが、正直なところ、販売されているゲーム版とは全く違うゲーム。
もし本格的にやってみたい!というあなたのために、今からでも始められるおすすめのファイアーエムブレム(以下FE)のお話をしていきます。

簡単にシリーズの歴史をお話しますと、1990年にファミコン版で登場し、10数作を超えて未だに新作が販売される人気シリーズ。

“キャラは死んだら例外を除き生き返らない” ので、死なせずにクリアするには相当なやり込みが必要でした。

初期の作品は難易度が高いものがほとんどで、ファミコン~スーパーファミコン時代の作品はそれなりに覚悟してプレイするべし、と言われるほど。
ですが、理不尽な難易度ではなくしっかりとキャラの育成をし、攻略方法を模索して、クリア出来たときの快感・達成感はめちゃくちゃ大きいものでした。
最近の作品では、難易度選択やクラシック or カジュアルの生死システムの選択など、ライトユーザーからヘビーユーザーまでガッツリプレイできる幅広い作品になっています。

ここで紹介する基本的なコンセプトとしては
・ゲーム・ゲーム機共に入手難易度が低い
・適度な難易度
・※カジュアルがあるかどうか
・大衆向けのお話

※死んでも次のマップでまた使えるようになすシステムのこと。逆に死んだら生き返らないクラシックがある。

といった内容です。まずはおすすめしたいシリーズものを3つほど、紹介していきましょう!

スマホでハマったあとでやりたいシミュレーションRPG ファイアーエムブレム 覚醒

プラットフォーム:ニンテンドー3DS
難易度選択:あり
カジュアル:あり

今でも現役稼働中の3DSでプレイできるファイアーエムブレム覚醒(以下FE覚醒)をまずおすすめします。
DS以降のFEには難易度設定が設けられていて、イージー、ノーマル、ハードの3つ。そしてハードをクリアするとルナティック、ここもクリアしてルナティックプラスという極悪難易度がプレイできるようになりますが、イージー、ノーマルの場合、さくさくとプレイでき、育成も楽で、戦略的に進めることも当然可能なだけでなく、めちゃくちゃ育てたユニットでゴリ押し(※)することも可能です。
明らかに能力差のあるユニットを敵の中心部に放り込んで、なぎ倒すようこと。
カジュアルモードも搭載しているので、倒れても死なせずに進めることが可能。

シリーズが初めてに近い人にはあまり関係ありませんが、FEシリーズの集大成が詰め込まれた作品で、それまでのシリーズで採用されたシステムをぎゅっと詰めて発売されたFE覚醒。
ここから他のFEシリーズに足を踏み入れる場合、そういったシステムを知っておくと、なるほど!と思えることも多くて、個人的にはより楽しめるかな、と思います。

スマホでハマったあとでやりたいシミュレーションRPG ファイアーエムブレム 烈火の剣

プラットフォーム:ゲームボーイアドバンス(ニンテンドーWii U)
難易度選択:あり
カジュアル:なし

私が個人的にシリーズ中でも大好きな作品のファイアーエムブレム烈火の剣(以下FE烈火)
DSシリーズに比べるとグラフィックなどは劣りますが、戦闘アニメーションのドットはガッツリと動き、難易度もノーマルとハードで分けられています。
剣使いの女性リン、同じく剣使いの皇子エリウッド、斧使いの皇子ヘクトルの3人の主人公が軸になる物語。
最初はリン編から入り、途中でエリウッド編かヘクトル編か選択ができるようになり、リン編は簡単、エリウッドは普通、ヘクトルは難しい、といったところ。

とにかくバランスの良さがピカ一。剣、槍、斧、魔法、どれかが強くてどれかが弱いことが無く、ユニット間の格差がないので、どのキャラに対しても愛着を持って育成ができる点が魅力ですね。

スマホでハマったあとでやりたいシミュレーションRPG ファイアーエムブレム 新・紋章の謎


プラットフォーム:ニンテンドーDS(3DSでもプレイ可能)
難易度選択:あり
カジュアル;あり

新・紋章の謎(以下新紋章)はスーパーファミコン版の紋章の謎のリメイク作品。
サブタイトルに「光と影の英雄」と付いていますが、これは主人公である光の王子”マルス”と、影の英雄となるマイユニット・・・私たち自身を反映したユニットを参加させられるというリメイクの際に新たに追加された要素。
それまでのFEでは無かった要素で、全体的な作りの良さに加えて、更に感情移入できる要素が増えたことで、より世界観を感じられるような作品になりました。

このマイユニットがかなり絶妙な立ち位置で、戦力としては文句に無しに強く、初めてプレイするなら絶対に使うべき存在になります。
かといって、使わなくても十分にクリアでき、シナリオ上でやたらと目立ったり、出張ってきたりすることはありません。影の英雄、の意味もプレイすることで十分に感じられます。
物語そのものには大きく関わりませんが、主人公のマルスにとってマイユニットであるあなたは、信頼が置ける相手であることに変わりはなく、そしてあなた自身もその信頼に応えて、戦乱を駆け抜けていきます。

リメイク前の作品と同じ内容ながら、マイユニットの存在で味付けし、全体的なバランスも見なおしたことで、何度でもプレイしてクリアを目指せるシミュレーションRPGとして君臨しています。

何が凄いって、FE覚醒、FEif、そして最新作のFEエコーズなど、amazonでは中古で2.000円を切っているのにも関わらず、2010年発売の本作は、未だに最安値でも2.500円ほどするんですよね。
かなり継続的な人気を持つので、初めてでプレイする作品としても断然おすすめです。

逆に、おすすめしないファイアーエムブレムシリーズ

ここまではおすすめの作品を紹介してきましたが、逆におすすめできない作品のお話もしていきたいなと思います。

あくまでも最初におすすめしない、ということを念頭にしていただければ幸いです。
同じシリーズものと言ってもシステムが違うものもあれば、難易度がガラッと変わるものもあり、慣れないうちはちょっと難しいかなぁ、というのが私の中の考え。
最初に必要なのは階段であって、壁ではないですからね。何事も段階を踏むのが一番。
ということで、おすすめしない基準はこんな感じです。

難易度が高い
・詰みポイントが存在する
・他の作品とシステムが大きく違う

これらを踏まえて、最初はちょっとやめておいたほうが良いかな、と思うシリーズをまた3つほど挙げたいと思います。

最初におすすめしない ファイアーエムブレムシリーズ トラキア776


プラットフォーム:スーパーファミコン、 New 3DS、Wii U
難易度選択:なし
カジュアル:なし

ファイアーエムブレム トラキア776はシリーズ中最も難しい、と言われる作品。
1つ前の作品である聖戦の系譜の外伝作品。登場人物の仲間の1人が主人公で、帝国に反乱を起こし戦っていくといった内容。
難易度の上がり方がハンパないくらいに早く、最初から考えて動かないと5章辺りでまず詰みます。そこからも詰みポイントのオンパレード。

捕虜システムという、こちらのステータスを下げて攻撃し、相手を捕まえ、武器やきずぐすりを強奪できるシステムがあるですが、これをやらないとお金が全く手に入りません。他の作品では村を訪れたり、イベント時にもらえることがありますが、ことトラキア776に至っては一銭も手に入りません。
必然的にこの捕虜システムを使い、相手の持ち物を奪い取り、叩き売る必要が出てきます。

それだけではなく、仲間になるキャラたちはマップに出撃して戦うごとに、疲労を重ね、完全に疲労してしまうとそのマップでは出撃できなくなります。解消するにはSドリンクという個数制限のあるアイテムのみ。主人公は疲労が溜まらないので、全マップ出撃することになります。ブラック企業もビックリの働きっぷり。
この疲労度システムも不評だったのか、今作のみのシステム。

そうした難易度もさることながら、命中率の最高が99%までと決まっており、どうあがいても1%の確率で外してしまいます。
他の作品では100%で、この99%システムも今作のみのシステム。いくら1%と言えど長期戦になればなるほど、どれだけ強いユニットでも攻撃を外してしまうリスクが常に付きまといます。
これは回避する場合も同じ。最低命中率は1%なので、どれだけ強いユニットでも攻撃が当たっても(以下略

ね?最初にやっちゃいかんでしょ?

システムをしっかりと熟知し、攻略理論を把握、多少の運ゲーを物ともしない、そんな世のエムブレマー達ならまだしも、一番最初にこれをやっちゃうと流石に楽しめるとは思えません・・・。階段を登る前に壁を登れなんて酷な話ですよ。
FE中級者が覚悟を持ってプレイし、FE上級者が縛りを用いてプレイする、シリーズをやっている人達向けの作品、それがトラキア776です。

最初におすすめしない ファイアーエムブレムシリーズ 聖戦の系譜


プラットフォーム:スーパーファミコン、Wii、Wii U、New 3DS
難易度選択:なし
カジュアル:なし

ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(以下聖戦)。シリーズを一気に押し上げた名作中の名作。

・・・なのですが、最初におすすめできるかと言われると微妙なところ。
その理由はたった1つ。1つの章(1マップ)があまりにも大きいこと。これだけです。

難しすぎるわけでもなく、ストーリーが悪いわけでもなく、システムが独特なわけでもありません。
むしろ、育成をしっかりすれば難易度は問題なく、ストーリーはほんと見てもらいたいくらい良く、システムは昨今のものと比べても十分通じるレベル。

ただ、いきなり聖戦をやってしまうと、他のシリーズものをやるとめっちゃ違和感を感じちゃうんですよね。
この意見は賛否あるかな、とは思いますが、マップが広い分、敵の編成もかなり独特で増援が一斉にぶわっと出てきたり、目的地までかなりの距離を移動したりと、他のFEにはない感覚なので、最初は別のFEをやってから聖戦をプレイする方がいいかなー、と個人的には思います。

他の作品と比べて、マップが広大な分仲間キャラは全員育てていかないと、攻略が難しくなっていきます。
キャラ同士が結婚できるのも、ここが初出。思うがままにカップリングを行ったり、実用性を重視してくっ付けたり。
死にキャラが出にくい分、キャラクター全てに愛着も持て、よりストーリー、ドラマが生きてきます。

発売から20年経ちますが、未だにカップリング議論が起こるほどの人気を誇っています。

いつかプレイして欲しい!だけど最初じゃないんだよね・・・。これが聖戦の系譜の評価ですね。

最初におすすめしない ファイアーエムブレムシリーズ 暁の女神


プラットフォーム:Wii
難易度選択:あり
カジュアル:なし

ゲームキューブで発売された、蒼炎の軌跡(以下蒼炎)の続編である暁の女神(以下暁)。シリーズ内でも続編物はいくつかありますが、大体はプレイしてなくても、問題なく遊べる前提で作られています。暗黒竜と光の剣→紋章の謎、聖戦→トラキア776などなど。
この暁の女神もそうできているのですが、おすすめしない理由としては前作のキャラが目立ちすぎ・強すぎる点。

前作である蒼炎の主人公、アイクはシリーズでもトップクラスの強さ、そして人気を持ち、蒼炎の軌跡が名作であることに一役買っているキャラクター。
人気である故か、暁の女神では途中から物語に入り、そして本作の主人公であるミカヤから、颯爽とその座を奪い取るような形で活躍してしまい、結局最後にはアイクを始め前作のキャラクターが多数入ってくることになります。

前作を知っている上でプレイするなら、蒼炎のキャラ達に対して愛着も持てますが、今作から始めてしまうと、メインキャラが動きまわるので、どこに対して愛着を感じればいいのか分からなくなります。

キャラの強さに関しても格差が凄まじく、愛を持ってキャラを育てるよりも、終盤に入ってくるキャラをつぎ込む方がいいというのは、FEが持つ育成の魅力を削いでしまっています。

そうした点から、あくまで蒼炎の軌跡をプレイした上でやってみてね、という意味でも最初におすすめしないFEとして紹介しました。

スマホからシミュレーションRPGに興味を持つことは素晴らしいこと!

随分長々としたお話になってしまいましたが、ゲームのメインがスマホに移りゆく中、こうしてシミュレーションRPGというジャンルを挟んで、興味を持ってもらえることは素晴らしいことだと思います。

今回はファイアーエムブレムのみに絞ってお話しましたが、他にも優れたシミュレーションRPGはたくさんあるので、ファイアーエムブレムをプレイしてみてハマってしまった方は、また次のゲームをやってみてもいいのではないでしょうか。

ちなみに、蒼炎の軌跡も超名作で、FEシリーズトップの面白さを誇りますが、ここには入れていません。
・生産・サポートが終了しているゲームキューブ本体が必要であること
・蒼炎の価格が中古で5.000円近くすること

・・・流石にちょっと環境が作れなさ過ぎて、おすすめできません。
Nintendo switchで配信がされたら、一番手に持ってくるくらい面白いので、期待して待ちましょう!