スマホアプリには常に付きまとうインフレ。
据え置きゲーム機であるコンシューマーゲームはジャンルに関わらず、終わりを迎えるために進めていきます。
逆にスマホアプリは続いていくために進んでいくことになります。
この違いを左右するのがバランスです。
コンシューマーゲームの場合、最初と最後があるので過程を繋ぐためにバランスを取るのが基本になります。
ですがスマホアプリの場合、最初から始まっても最後がないので常に手探りでバランスを取っていかなければいけません。
10キロ走れ!と言われるか、走れるだけ走れ!と言われるか、後者であるスマホアプリが取らないといけないバランス取りの難しさたるや!というレベル。死ぬわ。
どうしてスマホアプリにとって、インフレはダメなのか
どちらかと言うと、ネガティブな意味で捉えられやすいスマホアプリのインフレ。
サービスを続けていく上で、面白さを維持しつつも新しいストーリー、イベント、キャラなど、ゲーム中の新鮮さを損なわせないためにもインフレは必要不可欠な要素。
・・・なのですが、上でも言った通り終わりが決められていないスマホアプリにおいて、バランスを取りつつインフレもさせていくのは中々難しいわけでして。
基本無料であるソシャゲは、課金してもらうことでメーカーが利益を得て、開発が進みゲームは継続していきます。
急激なインフレは目先のことを考えた際に、メーカーにとっては有効な一手でもあります。
強いキャラを手に入れることは誰しもが求めることですからね。人より有利にゲームを進めたい、優越感を得たい、様々です。
強いキャラが出るということは、そのキャラを基準にレベルが見合った高い難易度のクエストやイベントが必要不可欠になります。
そうなると、強いキャラを持たないユーザーは、ゲームに対して面白くない・付いていけない、といったネガティブな感情を持つようになって、それが最後。
そんなことを繰り返していると、ユーザーはそのアプリを見限ります。
だって、面白いアプリなんて今の世の中にはそこかしこにあるわけじゃないですか。
大多数のユーザーは急激なインフレを望まないんですよね。
本当はインフレがダメなのではなく、ユーザーを無視したインフレがダメなんです。
インフレの象徴になった白猫プロジェクト
インフレしたスマホアプリと言えば?と聞くとおそらく結構な高確率で白猫プロジェクトが挙がるかと思います。
>>白猫グーグル画
相手に与えるダメージが、年を重ねるごとに1ケタはね上がるという、ドラゴンボールも裸足で逃げ出すほどのインフレが起こり続けた奇跡のスマホアプリ。
2014年3千
2015年3万
2016年30万
2017年300万
2018年3000万
白猫はアクションなどを含めていい部分も多いんですけどねー。素材が良い分もったいないとしか言いようが無いです。
私は初期の頃からちょくちょくやってはやめてを繰り返して、闇の王子とアイリスを手に入れてしばらくプレイしましたが、やっぱりゲーム性が合わなくてやめました。
そこからは一切触れていませんが、最強格だったこの2人も今やランキング圏外みたいです(´・ω・`)
・新キャラが結構な高確率で最強キャラ。
・ガチャで引かないとすぐに置いていかれる。
・ガチャとインフレの無限ループへ。
最高レアのキャラを引いても、最強キャラを引いても最終的には、
「どうせこいつも使えなくなるんでしょ?」
とガチャに対してネガティブな印象を与えてしまっていること。
せっかくの可愛いキャラクターたちが、使い捨てのようにされているのが現状。
ついていけないユーザーは、どんどんインフレに対して嫌気をさして辞めていく流れができてしまっています。
それもこれも、上でも言った通り、目先の利益を追求した結果でしょう。
結果人心が離れ、人が離れ、利益を出すどころか売上は全盛期から落ちていくばかりなんですから、運営のバランスがどれだけ大切か身にしみていることだと思います。時既に遅しですが・・・。
インフレとは別のアプローチをしたFGO
対照的にインフレを防ぎつつ、凄まじいまでの人気を獲得しているのがFGO(fate/grand order)
新しいイベントが起きるごとに、新しいキャラが出る度にツイッターやウェブ上でお祭りになるほどの人気を誇ります。
インフレを防いでいる、と書くと、知っている人からすると、
「いやマーリンがさ!」「いやいや孔明がさ!」
といった声も出るかもしれませんが、それでも全体的に見ても上手くまとまっていると私は思います。
・新キャラ=強いキャラ ではないこと
・全レアリティ、全キャラに使い道があること
・キャラクターにスポットライトを当て、愛着が持てる作りになっている
良い点ばかり挙げましたが先に言いますと、ガチャはクソですし、改善はしましたが戦闘面はまだまだ甘い部分も多いです。
それでもインフレに関してはうまくバランスを取っていて、ガチャで出る新キャラは絶対に入手しなければいけないわけではなく、低レアのキャラも使い道はかなり多いので、そういった点でも上手くできていますね。
イベント等で配布されるキャラは一線級を張れるキャラも多く、強いけど強すぎないは徹底されているのは流石。
これらの点が上手く噛み合うのは、キャラクターに愛着を持たせる作りがしっかりと出来ているため。
このキャラを愛せる土台があるのは大きいのか、とにかくみんなガチャ回すんですよね、プレイしない人から見たらめっちゃ異常に見えると思います。
好きな人はとことん好きで、どれだけでも注ぎ込みキャラを手に入れてキャラを愛する、それがFGO。
ガチャと運営と目の肥えたユーザーたち
極大インフレ化した白猫とインフレ化せず踏みとどまるFGOの対比でした。
面白いのが、この2つのアプリはインフレのみならずに対照的な点が多いこと。
0から1を産み、オリジナルコンテンツとしてスタートダッシュに大成功し、一時代を築いたにも関わらず現在では衰退の一途を辿る白猫プロジェクト。
大人気ブランドから派生したものの、スタートに大失敗し、サービス終了してもおかしくない状況からコツコツと隆盛期を登っていったFGO。
※白猫の”衰退”はコロプラの利益などから判断し、FGOの隆盛期は売上などから私自身が判断しています。
続いていくスマホアプリにおいて、インフレはゲームを面白くするものでもあり、崩壊させるものでもあります。
スマホアプリも多種多様なものが増え、クオリティの高いゲームも増えました。
そして今の時代では、生半可なアプリは通用しなくなるほど私たちユーザーの目も肥えてきました。
今一度、メーカーの皆さんにはインフレがどういう結果を産むのかを吟味しなおしてもらい、もっと面白いアプリを作ってもらいたいですね!