


2018年9月27日、任天堂から新作アプリ”ドラガリアロストが”配信されました。
グラブルやシャドバでお馴染みのCygamesとタッグを組んだこと、任天堂としては初めてとなるオリジナルものであることなど、どんなゲームになるのか注目されていました。
>>任天堂×Cygames アクションRPG”ドラガリアロスト(ドラガリ)”の事前登録情報と期待したいポイント
王道なファンタジーもののアクションRPG、ということで既に数え切れないほど使われたジャンル。
目新しさを求めることのできない舞台で、任天堂が求めたものとは。
アプリやソシャゲにどちらかと言うと否定的だった任天堂が、アプリやソシャゲでのし上がってきたCygamesと手を組んだことはゲーム業界的に見ても衝撃を受けたのは間違いありません。
実際に配信されたドラガリの出来を私なりにレビューしていきたいなと思います。
音楽の出来が素晴らしい
とにかく音楽が素晴らしい。ここだけでもう遊ぶ価値あり。
まず、いの一番にドラガリは音楽が良い!と言ってしまうほどです。主題歌から戦闘、ガチャ、メニュー画面など色々な場所で流れる音楽がとにかく素晴らしいの一言。
その多くがボーカル付き・・・歌が付いた曲なんですが、全てラップシンガーのDAOKOさんが歌唱しています。
私はDAOKOさんの曲を初めて聞いたんですが、いやービックリしました。あまりにも良かったから。
本来ゲーム音楽ってBGMオンリーなものがほとんどで、ボーカル付き音楽が目立つゲームってあまりありません。
有名なところだとペルソナシリーズ。通常の戦闘曲やマップで流れる曲が雰囲気にマッチした曲が流れます。
ボーカル付きの音楽を流すことでゲーム独自の世界観を作り上げ、遊び手である私たちをよりゲームを引き込ませてくれます。
これメリットなんですが、逆に使い方を間違えると、曲がゲームの邪魔をしたり、集中しにくくなったりと、一気にゲームの質が落ちるデメリットがあるんですが、ドラガリは上手いんですよ、使い方が。
通常のクエストで流れる曲は、BGMオンリー。爽やかな感覚がするっと耳に入ってきます。
ボス戦ではDAOKOさんの「流星都市」が流れます。個人的にはめちゃくちゃ好きなんですが、好みの差はあるかも。戦闘曲っぽくないといえばないんで。
私が今のところ一番好きなのがメニュー画面で流れる曲 “ぼくらのネットワーク” ※曲名は仮名です。
メニュー画面では、リーダーにしたキャラ(初期は主人公の王子)が相棒の妖精ナームと一緒にリズムに乗るようにテクテクと歩きながら、他の仲間達とすれ違い一言ずつ喋り、交流している様が見られます、さながら人形劇のよう。
私も結構たくさんのスマホアプリを遊びましたが、ただただメニュー画面を見ながら曲を聞いてるだけなんて初めてです。
やり方が上手いなぁと思いましたねー。ただクリアするだけ、ただ強くするだけ、ただガチャを回すだけ、そんな最近のアプリ界の常識を軽くひねるかのようにアイデアを出してきました。
そして最後に、こういったボーカル曲が苦手な人向けに、歌無しの音楽も収録されていること。
私はボーカル曲が大好物なので切りませんが、少なからず苦手な人・ゲームに集中できなくなる人はいるとおもうんで、そうした人への配慮も欠かしません。
さすが任天堂。ちびっ子を相手に今も戦い続けているだけあって細かな気配りも忘れません。
DAOKOさんの楽曲によってドラガリというアプリそのものが神秘的に、より独自なファンタジーの雰囲気を作り出しています。
聞いているだけで楽しく、前向きに元気になれるような、そんな曲が多いので、普段はゲーム音楽に興味がない人にこそ聞いてもらいたいですね!
ストーリー、キャラともにクセがないので物語に入っていきやすい
物語の雰囲気はシリアスがありながらも全体的に明るめで、登場人物もみんないい人、いい子ばかり。
主人公は優しく正義感に溢れた仲間思いな、まさに主人公。
個性は薄いんですが、自分で喋るのでちょうどいいと思います。
喋る主人公が無駄に個性があると、それだけでゲームの賛否がに分かれます。
好きな人は好きで嫌いな人は嫌いなゲーム。そんなゲームを任天堂は凄く嫌いそうです。万人受けは任天堂の十八番ですからね。
そんな主人公とは対照的に、仲間になるキャラは個性の塊。
一番最初に仲間に加わる聖騎士のエルフィリス。若いながらも聖騎士の称号を得た英傑。
その実かわいいものが大好きで、ぬいぐるみを前にすると魂が抜けるほど恍惚な表情を浮かべたり、昔から一緒に暮らしてきたぬいぐるみに名前を付けて話しかけたり、かわいい服装をちょっと着てみたそうにしていたりと内側から溢れ出る乙女チックさを隠しきれません。なにそれかわいい。
私のお気に入りのベルザーク、CVは安元洋貴さん。
全身鎧を来た闇属性の戦士。普段は丁寧で落ち着いた性格の紳士。
いざ戦闘になると、命の取り合いを喜々として行うバーサーカー。ギャップありすぎ問題。
声優の安元さんの叫び声が凄くツボで、星4ながらリーダーにして操作キャラにしています。
「来いよ!ドラゴォォン!!!」
とまぁ書き出すとキリがないんですが、どのキャラもいい感じに個性も持っています。
それもこれも、キャラを入手したら行われるキャラストーリーがあるから。
これはCygames製のグラブルやプリコネre:diveでも採用されていて、キャラを掘り下げていく大事なシステム。
これがあるから、ひとりひとりキャラの性格や好きなことが知れてより愛着が湧いてきて、より物語に没入させる・・・ゲームでは大切なことです。
ガチャについて
ドラガリのガチャはキャラだけではなく、キャラが装備する護符とドラゴンも混合したガチャ。
・キャラ
・ドラゴン
・竜輝の護符
の3つ。提供確率はこちら
確率しっぶいね!!さすがはサイゲ!
一番必要になるキャラの星5は、正直引けると思わないほうが良いです。
多少の課金が許されるなら、星5キャラ1体が確定するウェルカムパックを購入した方がいいと思います。こちらお値段3.000円で10連分の石とランダムで星5キャラが確定でございます^^
あんまり課金したくない人は、リセマラ込みで星5キャラを1体でも出してから購入すると、断然楽。普通にやっててはキャラが手に入らないことの方が多いです。
私は初っ端20連でジャンヌダルクを出してスタートしたんですが、ドラゴンだったのに気付いたのは結構経ってからでした・・・。
リセマラのやり方や誰を引けばいいか、という話に関しては例のごとくここでは省きます。よその攻略サイト見てね!!
ドラガリのゲームシステムについて
アクション
タップして攻撃、フリックで移動、スワイプで回避。操作に関しては以上。
他にはキャラが固有に持つ “スキル” に、ゲージが溜まれば “ドラゴンに変身” が可能。
難しいギミックも存在しないので、すいすいと遊び回れます。
クエスト
クエストでは4人パーティでマップを進み、道中の敵を倒したり宝箱を開けたりしながらボスを倒していきます。
クエストの道中にミッションが設けられていて、クリアできればガチャ石をゲット。
某白猫の場合はクエストによってミッションの内容が違いますが、ドラガリの場合は内容が同じ。
・誰も倒れないこと
・二人以上倒れないこと
・コンティニューしないこと
これだけ。宝箱を全部開けろ、敵を全部倒せ、罠に当たるな、とか面倒なものは一切なし。
ボス戦ではボスが持っているゲージが重要。攻撃を重ねるとゲージが溜まり、敵が “オーバードライブ” して攻撃力が上がり、大技を振り回してきます。
オーバードライブ後に攻撃を続けてゲージを減らすと、敵が “ブレイク” して防御力が下がり、体勢を崩します。
いかにしてオーバードライブ中の被害を防ぎ、ブレイク中に大ダメージを与えるか。
これが大切になってきます。ドラゴンを駆使してちゃっちゃかブレイクさせるか、オーバードライブはなんとかしてブレイク中に袋叩きにするか。
そういった戦略を考えるのも楽しいですが、ドラガリはクエスト中にオートプレイが付いています。
育成をしっかりやっておいて、オートで回させることもできるので、楽をすることだって可能。
ガッツリ遊びたいときはマニュアルで操作して、何か別のことをしながら遊ぶならオートで周回させる、といった切り替えも可能です。
育成
・キャラクター
・ドラゴン
・竜輝の護符
・武器
基本的にはそれぞれ対応した素材で強化してレベルを上げて、能力を上げていきます。
この中で違いがあるのがキャラクター。
キャラはレベルを上げることと別に”マナサークル”と呼ばれる成長システムが用意されています。
マナやキャラに対応したオーブを使って、パラメータを上げたり、アビリティやスキルを覚えて更に強くていきます。ソウルボード?知らんな。
良い点
音楽
もう言うべきこともないので詳細は上でどうぞ!
柔らかい音楽、女性ボーカルが好きな人、日常的に聞ける音楽、リラックス。
といったものがお好みの方にもおすすめ。
ゲーム興味無い人でも聞く価値がある!と断言できます、それくらいのおすすめ度。
細かな点にも行き届いたゲーム設計
とにかく遊ぶ側のことをよく考えて作られているな、というのがドラガリのイメージ。
・メニュー画面でリズムを取るように歩いたり動いたり、キャラごとにセリフを喋ったりとアクションが細かい。
・キャラ登場時に演出があったりと、印象に残りやすい。
・クエスト中も掛け合いが起こり、遊び手を飽きさせない。
キャラ編成や強化時にも小気味良い音楽が流れつつ、ストレスなく動かせるUI(ユーザーインターフェース)のおかげで、どんな時でも楽しめる設計になっているのがグッド。
おまかせ機能(オート)付き
最近ではどんなアプリでもお馴染みになりましたが、アクションRPGでオート機能が付いているのは結構珍しい気がします。
スキルを使わない、ドラゴンに変身しない、サポートも使わない、と移動と攻撃を繰り返すだけですが、育成をしっかりしたパーティであればアクション要素が苦手な人でも十分遊べるクオリティに。
声優陣が超豪華。公式が一切触れてこない点も○
事前登録の記事でちょこっとキャラクターについて触れましたが、ドラゴンの声優さんは山寺宏一を筆頭に大御所がずらり。
そして、ガチャで登場するキャラクターも、他のアニメでは主役を張るほどの声優さんがごっそり。
他メーカーの多くは、キャラクターが多くなるに連れて声優さんは新人さんが多かったり、兼ね役(2つ以上の役をこなすこと)が多かったりと節約志向が強くなります。当たり前っちゃ当たり前なんですが。
さすが任天堂、全く出し惜しみしません。
声優さんの中には、2018年8月に亡くなられた石塚運昇さんもおられました。
ポケモンのオーキド博士のような、朗らかな声をした研究者のクレイマン。
でも研究内容は闇を元にしたもので、オーキド博士というよりはライバルだった四天王のキクコの方が似ているのは遊び心でしょうか。
声の雰囲気はオーキド博士、だけど言ってることはサイコ研究者。このギャップ!
特筆すべきなのは、豪華声優陣を公式が一切言及してこないこと。
私たちユーザーが声優豪華だなー!と騒ぐのならまだしも、公式が豪華声優陣!って言うのはちょっと安易だと思っているんで、ここは素直に驚きましたね。
悪い点
目新しさは少ない
ドラガリは丁寧に作られていて、遊びやすさは十分ですが、ゲームそのものに新しい要素は少ないです。
まぁ新しい要素どころか、白い猫の計画にかなり似通ったゲーム性なのでやったことあるなーと感じが多いでしょうね・・・。
ガチャが渋い
ガチャは相変わらずのサイゲクオリティ。
キャラ・護符・ドラゴンと3つ全てまとまったガチャで星5の出現率が合計2%。
その中で星5限定キャラは0.5%から1%と中々に引けません。
一応全レア度で最高レアの星5まで育成できるので、性能差はそこまで酷くはならないと思いますが、それでもストレスは溜まります。間違いなく。
必要な容量が大きすぎる
ほぼフルボイスのドラガリは容量がかなり多く、一括ダウンロードも込みになると3Gを超えます。
機種によってはかなり圧迫することになるので、ダウンロードせずに声なしで進めるか、他のゲームや写真、ビデオなど消すなど少なからず対応しないといけません。
SDキャラの造形
ドラガリのSDのキャラの造形は良く言えば親しみやすく、悪く言うと丸っこすぎ。
女の子がちょっと横幅が広くて、恰幅がいいというかなんというか。
本来の2Dイラストが可愛い・かっこいいので、余計に差が出てしまっています。
まとめ 新しさはないが、全体的にまとまった良作
個人的には、ちょっと惹かれるものがあるな、と感じたらぜひやってほしい一作。
・遊びやすいゲームデザイン
・キャラ作りもしっかりしている
・良質過ぎる音楽
・人形劇を見てるようなテンポの良さ
ドラガリの根本にあるのは”シンプルさ” だと個人的には思ってます。
難しいことはやらないし、させないという任天堂らしいゲームへのアプローチをそのままアプリにぶち込んできました。
配信直後の評価としては、かなりおすすめ度が高いです。
これからの運営次第で評価は上下しますが、よっぽど酷い運営をしない限りは面白さを阻害することはないかなと思います。
普段はあんまりアプリやゲームで遊ばない人に特におすすめ。
簡単で遊びやすいシステム、ストーリーは分かりやすく暗すぎない。
といった理由から。手軽に触れやすいので、ちょっとした時間で遊びやすい、アプリの良さを十分に活かしたゲームに仕上がりました。
しつこいんですが、本気で音楽聞いているだけでも、凄い価値があります!


“任天堂が送る渾身のオリジナルゲーム【ドラガリアロスト】をレビューする!” への1件のフィードバック