凝ったタイトルを考えようとすると、結局シンプルが一番なんだよなぁ・・・と現実逃避し始める今日この頃。
今回はおすすめしたいストーリーを持ったソシャゲのお話。ありきたりすぎて今更感が凄い。
ソシャゲは遊びやすいゲーム性やシンプルなデザインが好まれやすい傾向があるので、ストーリーに力を入れない、もしくはストーリーそのものがほとんど存在しないゲームも多いです。
人気のあるソシャゲでもパズドラやモンスト、荒野行動、ポケモンGOなど、世界観はあってもストーリーはほぼないようなもので。
そんな中で、最近になってストーリーにも本腰を入れて取り組んできているゲームも増えました。
ただ、ちゃんと読ませてくれるストーリーはまだまだ少ないイメージです。人によって基準は全然違うのであくまで私基準なんですが。
ブラックステラ
事前登録中のアレ。制作陣がかなり力を入れてるので、まだ未公開な部分は多いながらもアリと予想しての登場。
ダークでシリアスな雰囲気を持ったファンタジー。
現代日本、東京では40年の間に大爆発と2度の大崩落が起き、最後に起こった崩落後にマモノが発生し、とうとう日本から隔絶されることになる。
作家さん達がかなり質のいい人たちが揃っています。こういった複数の作家が揃うと逆に?って場面もあるんですが、メインでストーリーを担当するのが丸戸史明さん。
今だと”冴えない彼女の育てかた”の作者として有名ですが、元はエロゲのライターとしてかなり有名な方。
冴えカノは一応全部読みましたし、”この青空に約束を”はかなり好きな作品です。この作品で裏名義というものを知りました(※)
※こおろぎさとみさんがヒロインの1人として参加している。
王道なシナリオで人を選ばず、かといって量産的なものでもないので、普段はあまりストーリー系の作品に縁がない人も楽しめるのは予想できます。
新しいゲームでドキドキしたい方に、事前登録をおすすめしましょう!
Fate/Grand order(FGO)
今さらな上、賛否両論が激しいものの、やはりストーリーは良くできているのでおすすめしたい。
本来のfate/stay nightとは同じシリーズながら、作品の傾向そのものはまた違った形になっているのも特徴。
???によって引き起こされた人理焼却を解決するために、主人公達が7つの特異点(時代)を巡る物語。
主人公が所属する”カルデア”以外は全て焼却・・・消滅され、1年の間に全てを解決しなければ、カルデアも同じ命運を辿ることになる。
1つの特異点ごとに内容そのものは完結していて、メインキャラクターである主人公とマシュ以外は入れ替わりながら話が進んでいきます。
特異点ごとに特徴も違っていて、ファンタジーさながらの冒険や航海を繰り広げたり、戦争の只中を駆け回り奔走したり、絶対的絶望状況に立ち向かったりと様々。
fateそのものがそうなんですが、出会いと別れが明確に起こり、だからこそ楽しいし悲しいと。
いろんな感情がごちゃ混ぜになっても、前に進んでストーリーを完結させて、また次に進んでいく姿が尊いと。それがFGOには詰まってるんですよね。
やはり終章であいつと対峙する前後のストーリーは涙無しには語れないものです。あのBGM込み込みで泣きながら戦いました。
考察したり、推測したり、妄想したりするのが好きな人はほんと好きだと思います。
代わりに合う・合わないも激しいゲームでもあるので、とりあえず序章だけでもやってみてはどうでしょうか。
グランブルーファンタジー(グラブル)
王道のファンタジーらしいストーリー展開が行われるグラブル。
田舎で暮らすただの少年(少女)だった主人公が、謎多き少女ルリア、トカゲ?のビィ、騎士カタリナと出会い、帝国との戦いに巻き込まれるままに村を旅立ち、空の世界を巡っていくストーリー。
空に浮く島を騎空艇で行き交う都合上、島ごとにストーリーが展開していき、帝国と戦いながらも出会った仲間達と問題を解決していき、やがては帝国そのものに迫ります。
出てくる敵キャラの大体がクズで救いようの無いヤツらだらけなので、やっつけると凄くスカッとします。サブル島は今すぐに沈め。
泣いたりするほど感情を揺さぶってくるわけじゃないんですが、じっくり読んでしまう小説のような感触でしょうか。
全100章以上に及ぶ大作。ファンタジーとしての大部分は備えていて、ゲーム外要素も多く備えているのでコンテンツそのものを楽しみたい人に。
コトダマン
意外や意外、遊び部分に注目が行きがちではあるものの、ストーリーも面白みが深いコトダマン。
内容は分かりやすい勧善懲悪ものなんですが、コトダマンのシンプルさ故に不思議な入ってきやすさがあります。絵本を読んでるような感覚といいますか。
そんなコトダマンは、神様である”ニューワード”が5人の神子を作ったことから始まります。
・火の国の神子 イカリ
・水の国の神子 カナシミ
・木の国の神子 ヨロコビ
・光の国の神子 ヤサシサ
・闇の国の神子 ネタミ
子供向けの分かりやすく、簡単で連想しやすい言葉を使うことからも、不思議な入ってきやすさを感じるのでしょうか。怒り=赤って分かりやすいですもんね。
ニューワードが作った5人の神子は“与えられた “言(こと)”という名の木の種を植え、想いを込めて祈りました。
そうして生まれた文字の羅列を、ニューワードはコトバと名付け、コトバはコトダマとして世界に放たれ、5人の神子と合わせて5つの大陸を作り上げていく。
コトダマは物だけではなく、文字の精霊”コトダマン”をも生み、長い年月をかけて言霊界が出来上がっていく。
そんな中生まれた1つの特別な光から、双子のコトダマンが誕生し、ニューワードは自身の後継者として育てるために光の神子ヤサシサに授ける。
これに闇の神子ネタミは文字通り嫉妬し、ヤサシサに授けられた双子のうち1人を自身に取り込み、悪魔神ウラミとなってしまう。ウラミは他の国を攻め滅ぼして、神子を殺し、コトバが失われ世界は暗雲に包まれる。
もう1人の光の子はヤサシサが命掛けで助け、キボウと名付けられ育ての親リーフによって育てられ、言霊界を救うためにウラミと決戦を繰り広げる。
物語の導入は、光の子キボウが求める救世主を探すために旅に出ていたリーフと、救世主(プレイヤー)が出会うことから始まる。
5つの国はウラミ率いる悪魔軍の五将軍が封じたまま、コトバも忘れられたままの言霊界で、救世主として世界を解放していくことになります。
・・・実際には、とりあえず石500を確保するために各国ステージ6までをクリアしてガチャを回す狂戦士なんですがね!
ストーリーもそうなんですが、音楽から、キャラから、何から何までバカバカしいくらいシンプルで分かりやすいので全部揃っていてホントに面白いです。
子供向けアニメや特撮を見たお父さんが「それって大人が見てもなー(笑)」からの「思ったより面白いな・・・」からの「息子よ!おもちゃ買おうおもちゃ!!」とハマっていく過程が味わえるかもしれません。・・・実際そうなったら面白いですね。
アナザーエデン(アナデン)
平成で最高だったゲーム1位に輝いた、クロノトリガー。
現代、過去、未来、果ては原始時代まで。あらゆる時代を行き来し、果てにあるさらなる未来を求めて冒険するRPG。確かに最高傑作と言ってもいいゲームです。私はライブアライブ派ですが。
アナザーエデンは、このクロノトリガーを作った主要メンバーが揃って作られた、言わば続いていない続編。系譜を持った別作品のゲーム。
平凡だけど楽しい毎日を送っていた主人公が、とある出来事をきっかけに長い長い旅に出ることになるのも、経緯は違えど同じ。
冒険の先で仲間と出会い、絆を深め、時代に関係なくトラブルを解決し、因縁のある敵を追って戦う。
グラブルと同じく王道的なストーリーなんですが、あっちが出会いから始まる物語であれば、こっちは別れから始まる物語。何からかはプレイしてのお楽しみ。
結構細かな伏線が私的には好みで、メタ要素も少し入るようなちょっとしたことだったり、メインストーリーの1部をクリアしても分からず、1.5部でようやく分かるようなこともあったりと、考察したりするのも面白いです。
そしてアナデンと言えばやっぱり音楽。クロノトリガーを作曲した光田康典さんの会社に所属する土屋俊輔さんとマリアム・アボンナサーさんが担当。
フィールド曲、戦闘曲、どちらも粒揃いです。粒揃いすぎて、サントラがホント欲しくなる一作。
音楽がいいゲームに悪いゲームが無いと証明してくれる作品です。「聖剣伝説4」で検索とかしないように。
ストーリーそのもののスタンダードさ、時代を超えるSFというジャンル、家庭用を思わせる作りとゲームそのものを楽しむなら、の一作。
グリムエコーズ
スクエニ発、グリムノーツの兄弟ゲーム。闘技場などPvP(プレイヤー同士の対戦)要素もあるグリムノーツと違い、オフラインで完結するRPG。アナザーエデンと同じ方式ですね。
グリムの名前通り、童話や絵本に登場するキャラ達が”物語を否定してしまったら”
童話に限りませんが、物語は最初から最後まで、作者が決めた道筋や流れで進んでいきます。
そこに、登場するキャラの意思がもし介在してしまったら?
決められた運命に抗い、別の運命を望んでしまった者は、罪を負い罰を背負うことになります。
主人公のエルもその1人。世界の真実を知り、自ら役割を降りた罪を背負いました。
主人公は罰を背負った際に全ての記憶を失い「虚無の回廊」へと送られてしまいます。
主人公のように罪を背負い、何もかも失ってしまった魂を図書館の司書が拾い上げ、役割を与えることで救済し新たな生を授けられる。
主人公に限らず物語の中での役割に疑問を持ってしまい、役割と望みの間で悩み苦しんだ末に自分とは別の存在”ボイド”としてメルヘンの世界を歪ませる存在を生み出してしまう。
そうした存在を正すのが、役割を与えられた主人公のような図書館に導かれた存在。
悩み苦しんだボイド達は、悪さがしたいわけではなくただ自分が望むことをやりたいだけであって、ただ倒せばいいわけではありません。
グリム童話が発端のキャラクター達の内面と向き合い、その裏で糸を引く更なる邪悪と対峙していく。
童話を基点に、感情としての負、存在としての負と戦いながらも
シノアリス
グリムエコーズと同じく、童話を元にしたキャラ達が展開していくストーリーなんですが、これがまた独特。
というのも、シナリオを描くヨコオタロウが持つ作風が王道とはまったく違うため。
ドラッグオンドラグーン(DOD)シリーズ、ニーアゲシュタルト・レプリカント、ニーアオートマタなど、唯一無二の作品が多くて、特にDODシリーズはやったことがない人はあらすじやネタバレを拾ってみてください。おそらく大多数の人が騒然とするはず。
今回は原作なので、全てを担当しているわけではありませんが、作品としてはヨコオ作品なのでいろいろな意味で楽しめるでしょう。
本で埋め尽くされた世界・ライブラリに迷い込んだ登場人物である少女たちは、自身の物語の作者を復活させるために、他のキャラクターを滅ぼす必要があった。
と、導入部から黒さ全開ですが、こんなのは序の口。ドラえもんのOP前のCMみたいなもんです。始まってすらいません。
現在は序章にもなる衝動篇、憎悪篇、登場人物たちの本当の真実が語られる現実篇、ライブラリと現実との融合篇の4章が公開済み。
ハッピーエンドや救いなんてものは全く存在せず、作者を復活させても本当に救済が成るかなんて分かりませんし、十中八九そんな甘い話はあり得ないでしょう。
ドロドロでグチャグチャな、人の本性や狂気といった負を全面に浴びたい方におすすめ。特に現実篇は・・・。
まとめ
今回は穴場を探したり、まだ見ぬゲームを見つけようとしては見たものの、荒さが目立っちゃったり、どうしても陳腐だったりするものも多くて、そういう点では小説やアドベンチャー系のゲームで鳴らしていたライターさんが出てくることはソシャゲのストーリーを高めていくことに一役買っています。
やはりゲームである以上、ストーリーをスキップするだけではちょっと寂しいですからね。
スキップさせないために、どれだけ工夫を凝らしてくるかはこれまでも、そしてこれからもメーカー側が苦心しながらも対応しなければいけなません。
手の込んだものから、単純でバカバカしいものまで、あっと驚くようなストーリーのゲームはいくらでも見たいものです。