
今回紹介するモンスターファームの移植版は買い切り版。基本無料ではないためご注意下さい!
2019年7月24日、コーエーテクモゲームスよりモンスターファームのスマホアプリ、及びニンテンドースイッチへの移植が発表されました。
この日や事前登録が開始された9月12日は、ツイッター上でもかなり盛り上がっていたことを覚えています。
世の中の30代を超えたおっさんゲーマーは歓喜ですよ。私も当然買うつもりです。
逆に、知らない人からすると「なんでそんなにおっさんらは盛り上がってんの?」と不思議に思うかもしれません。
そんな人たちのために、自身もおっさん世代である私がどれだけモンスターファームが面白いのかを解説してみたいと思います。
当時すばらしいゲームは数多くありましたが、その中でもモンスターファームはオンリーワンと言っていいゲーム。
おっさんと若者が世代を超えて同じゲームで歓喜することができれば、これに勝る喜びはありません。ではスタート。
音楽CDからモンスターが生み出される特別感
モンスターファームは、ジャンルとしてはアクション要素も備えた育成シミュレーションゲーム。
生み出したモンスターを生まれてから死ぬまでの間必死に育て、数多くある大会に参加し、頂点を目指していくことが目的。
これだけなら当時としても特に珍しくはなくよくあるゲームで終わったと思います。
モンスターファームが全ゲーマーを衝撃に落としたのが、音楽CDからモンスターを生み出すことができることでした。
どういうことかと言いますと、モンスターを生み出すための神殿に行くと、ゲーム中にも関わらずプレイステーション(初代)のふたを開けて、CDを入れ替えるという作業が求められます。
本来なら、ゲーム中にふたを開けるなんて言語道断。今世の中にあるゲームで同じことをしようものならゲームと本体を同時に破壊する自殺行為とも言えるもの。
ですが、モンスターファームは “それ” が許されました。当時の少年達やコレクター魂を持つ大人までも巻き込み盛り上がります。
「お母さん(お父さん)うちにある音楽のCD全部持ってきて。」
少年達は寸分違わずに同じ要求をしました。モンスターファームをやっていない子の家に突撃し、音楽CDを貸して!と強請りにいくこともありました。
曲名は覚えてないんですが、当時人気だった歌手の鈴木亜美さんのCDから「ミーア」というキャラが出てくるんですが、CDを見つけてきたらちょっとしたヒーローになっていましたね。
私自身、なんだか特別なことをやっている感が凄くあって、夢中になりながら様々なCDを試しては記録を付けていました。
当時は夏休みで熱心に自分で書いたデータと友達に写させてもらったデータを合わせている私を見て、母が夏休みの宿題をやっていると勘違いし、8月後半になって慌て始めた私に対して激ギレしてきたことを思い返します。
ここまで熱苦しく話しましたが、音楽CDの効果そのものは別に高くないんですよね。結局のところ育成と合体が肝心だからです。
その育成に関しても、初代モンスターファームはよく言えば大味、悪く言えばザルでした。小中学生程度が遊ぶバランスとしては十分でしたけどね。
多少ブームは過ぎていましたが、続編の2ではより洗練されてシステムを理解する必要が出てきたため、難しいと投げる子も多かった記憶があります。2は2でヴァージアハピというバグモンスター※が存在するんですが。
※戦闘時に必要なガッツ(=行動力)がとんでもないスピードで回復し続けるモンスター。2番目に早いモンスターの数倍早く回復する。
育成に関してあれこれ
モンスターファームのモンスターは
・ライフ
・ちから
・かしこさ
・命中
・回避
・丈夫さ
の6つのパラメータで構成されます。どうやって育てていくかはモンスターの特性と相談しながらですね。
ちからとかしこさはダメージ元。ちから技のダメージはちから、かしこさ技のダメージはかしこさ。ポケモンを連想してもらえれば分かりやすいかも。
最終的には全部999にして俺TUEEEEE!してしまえるんですが、普通に遊んでいる場合は寿命の間にどれだけ育てられるか?となります。
育て方次第ではかなり個性が付けられて、面白いんですよね。
元々モンスター種によって大体育成のレールが敷かれていて、ピクシー種ならかしこさと命中回避、ゴーレムならライフ、ちから、丈夫さ、みたいな。
他種との合体でそれら成長の度合いも変わってきて、ピクシー×ゴーレム配合のビーナスはちからと丈夫さの得意さが上がり、逆にかしこさと回避が少し苦手。このバランスを見極めていくのもまた楽しいです。
初代モンスターファームでは、寿命と引き換えにちからと命中を一度に10(20)を4回増やせるトロチカン(EX)というチートアイテムが存在します。
これは言ってしまえば救済措置。ちからと命中は戦闘において生命線、攻撃は最大の防御、やられる前に○すのだ!
これを寿命が比較的長く、かしこさ技ではあるののの相手の体力を吸収するドレインも覚えるプラント種に与え続ければ、かなり簡単になるんですが、私としてはナンセンス。
好きなモンスターでやればいいんです。私はダークハム(ハム×モノリス)を愛用し、友達と対戦する際はマシンガンパンチで豪熱!と叫び、おならを石破天驚拳!と叫びながら放っていました。Sくんに何だお前みたいな目をされたのは忘れられません。
トロチカンも一見ただのバランスブレイク要素なんですが、どんなモンスターでも育てられることになりますし、減る寿命もまた増やすことも可能、だからこそ自由度の高さなんですよね。
少年達の心をくすぐるモンスター達とグレード大会の”成り上がり”
モンスターファームに登場するモンスターは合計20種。どんな種類なのかは割合。全部紹介すんのめんどくさい。
少年達には隠し種であるドラゴン、マジン、ヘンガーは特に人気がありました。私もハム以外ではマジン使いでしたからね。避けるときや攻撃後の動作で “ヒュンッ” って音と同時に移動する流れそれに達人さを感じられて最高に好きだったんです。なぜかマジン種はガトリングをぶっ放したり、弾き語りをしたりするんですが。悪魔も泣き出すスタイリッシュアクションでしょうか。
物語をスタートさせると、あなたは助手であるホリィちゃんとモンスターの2人と1匹で新人ブリーダーとして出発します。
目的は育成とグレード大会を勝ち上がっていくこと。
グレードはEから始まりD、C、B、A、Sと進み、Sまで制すると四大大会の道が開かれます。
こういうランク的なものってめちゃくちゃ燃えますよね!「俺は強くなったんだけど、お前らはどうなん?試してやるよ」的な。
大会を進んでいくごとに、試合開始前のファンファーレと戦闘中の音楽がどんどん豪華になっていって、新人だったあなたは成り上がっていくことを肌で実感できるようになります。
この流れが嫌いな人っていないでしょ!むしろこういう展開が大好物な人は多いはず。
大会ではKO負けを食らうと寿命が減るどころか、ヘタをすれば死んでしまうこともあります。リターンの中にある確かなリスクにイライラすることもあれば、達成感を味わえることもあるでしょう。
ただひたすらにパラメータを走らせ最強モンスターへの道を目指すのもあり、一匹のモンスターのみで大会を制覇しにいくのも当然あり、次のモンスターのためにお金やアイテム稼ぎに走らせるなど、やるべきことはたくさんあります。
全部済んでもやっちゃうんですよね、これが。まさに中毒性を生み出すゲーム。
アニメ版と続編”2″の存在
移植版とは関係しないんですが、初代がハマるようならアニメと続編の2もかなりおすすめしたい。
2は正当進化版。色々なバランスを整えた上、より自由度もやり込み要素も高くなったことで、遊びやすさがかなり増えました。マジン種を無くされた私は発売当初はかなり絶望しましたが。
特に大会関連は難易度も増した上に面白いモンスターも多くて、ただ戦うだけじゃない新鮮さや驚きもありました。間違いなく名作。今でも有名なカーマイン先生はほんとに学生時分でもあいつなんやねん!とかなり話題になりました。
実はそれ以上に見てほしいのがアニメ版。1期48話、2期25話の全73話。youtubeで3話まで無料で見れるんでとにかく見て。
アニメではゲームと違って、王道の冒険譚。ワルモンのムーが支配する世界で、ヨイモンに戻すために必要なヒノトリを求めて旅に出る、という内容。
放送時期がゲーム版2の発売より後なのもあって、2のモンスターも多数登場。主要キャラのモッチーは当時の人気もあってよりがっちりはまってましたね。
一発目にめっちゃイケメン声の若本規夫さんのナレーションから始まるんですが、かっこいいんすよ。若本さんの真剣なイケボキャラは最高に強キャラ感が出て好き。
これが朝7時半とかにやってたんですよ。当時って土曜日はまだ隔週で学校に行かないといけなかったため、7時45分くらいには出発させられるハメになり、「土曜日の学校滅びろ」と常々考えてました。念願叶い3年後に無くなることになります。
ほとんど個性や性格が反映されなくて、真面目さと概要覧からどんなモンスターかをそれぞれ想像する程度だったのが、しっかりしたキャラの形が作られたのがアニメ版。
敵であるワルモンも全員が生まれた時からワルモンだったわけではなく、何かしら原因があって、ストーリーがまたあるわけですよ。
主人公と戦った結果、ワルモンからヨイモンに生まれ変わったり、逆にワルモンを貫いたまま散っていったりと。
シリアスばかりではなく笑いあり、ほのぼのあり、涙ありと見所が多くて、最高に面白いんです!何度も言いますがとにかく3話までは見てみてほしい。
まとめ
色々と思い出補正がかかっていることは間違いないんですが、荒いながらも魅力的なモンスターを好きなように育てられるゲーム性は間違いなく一級品と言っていいゲームです。
どうやら私が他のゲームで遊んでいてこの記事を書くことをサボっていた間に(※書き始めたのが10/30、公開が11/21)近日配信されるそうなので、ぜひとも楽しみに待っていて欲しいですね!