
12月12日、サクラ大戦シリーズの最新作、新サクラ大戦が発売されました。めでたい!
完全新作としてはサクラ大戦Vが2005年発売なので、実に14年ぶり。
過去作が登場する外伝作品はそこそこ出ており、ソシャゲ展開も2作行われましたが現在は全てサービス終了済み。
色々な苦境を乗り越えて発売された新生サクラ大戦。当然遊びますよね!
私はサクラ大戦に関してはそこまでヘビーユーザーではなく、3と4、あとアニメは多少見ました。アニメが凄くピリピリしていて暗い雰囲気だったのを覚えています。なので当時はラブひなを見ていた記憶がありますね。懐かしい(笑)
今回は新サクラ大戦のレビューのお話。当サイトはスマホアプリに関するサイトのはずなんですが、もうええやろと開き直っています。
ネタバレもそれなりに込み込みになります。ちょっと控えめではありますが、どうしてもレビューのために必要な情報はネタバレとしてお話しています。
これから遊びたい人、もう遊んだ人にとって益になるか・・・は自信ないんですが、間違った知識を流さずかつ自分の感想・レビューをしっかり話せたらな、と思います。ではスタート。
新サクラ大戦のあらすじ
太正十九年、帝都・東京では「降魔大戦」と呼ばれる戦いが勃発。この戦いに参加した帝都、巴里、紐育の華撃団は、自分たちの消滅と引き換えに世界を救う。
その後、降魔大戦での功績から華撃団による都市防衛構想が世界中に認められ、「世界華撃団連盟(WLOF)」が設立。世界の各都市で華撃団が誕生する。各国の華撃団は2年に1度開催されるWLOFが開催する「華撃団競技会」で歌劇と戦闘の技術を競い合い、人々はこれを「世界華撃団大戦」と呼び熱狂していった。
降魔大戦から10年後の太正二十九年。帝都では新たなる帝国華撃団が結成され、世界華撃団大戦での勝利を目指し活動を開始する。しかし、再び世界中に降魔、さらに正体不明の敵も現れ、「平和の祭典」から「世界の命運をかけた戦い」へと変遷していく。
といった内容。過去のサクラ大戦を愛した人からすると、中々に辛い始まりになりました。
今回の新サクラ大戦は、主人公の神山誠十郎が帝国華撃団の隊長として赴任してくるところから始まります。
帝国華撃団と言えば、幾度もの降魔の侵攻から帝都を守った歴戦の部隊。
元々は帝国陸軍中将だった米田一基が作り上げ、当時隊長だった大神一郎が引き継ぎ総司令になったものの、大神自身も二都作戦に参加、全滅に等しい最後を迎えてしまい、帝国華撃団は事実上消滅。
年月を経て、旧帝国華撃団唯一の関係者だった神崎すみれが総司令として帝国華撃団再編、そして神山の隊長就任へ。
これまでのサクラ大戦から大きく変わったのが“秘密組織だった華撃団が一般に認知されたこと”です。
表と裏を使い分けていた以前の華撃団以上に華やかさも求められることになりました。
キャラ紹介
神山誠十郎
CV.阿座上洋平 素直なカッコよさが光る素晴らしい声をしています。
士官学校で首席、若くして海軍特務艦「摩利支天」艦長を務めるも任務中に轟沈。
その後帝国華撃団の花組隊長を任命され入隊。以後はモギリをしながら帝国華撃団隊長として平和を掴む戦いへ身を投じる事になる。今作ではあまりモギリのイメージは無く、マスコットのゲキゾウくんの中の人の方が強い。
モデルになったのはサクラ大戦1-4までの主人公、大神一郎。初登場時の年齢、階級が同じ。大神さんは卒業即華撃団入りだったことに対して、神山くんは経歴持ち。
正義感が強い、真面目で実直、仲間への思いが強い、スケベ心も強いと受け継がれている点も豊富。
華撃団入りした当初は、表には出さないものの艦長時代の判断について考え込み、無意識のうちに仕方がないと後ろ向きに考えるようになっており、幼馴染のさくらには気付かれていた。
迷いを断ち切ってからは、どんな場面でも(基本的に)真っ直ぐ筋を通し(選択さえ間違わなければ)素晴らしい人格者・隊長として活躍していく。
今作では声の張り上げ方にも幅を利かせる選択肢があるんですが、おなじみのセリフである「帝国華撃団!出撃せよ!」も声を弱くするとほんと弱々しい上に周囲から大不評食らってある意味笑えます。
着替えを覗き見、風呂を覗き見、ハートイベント中でもお構いなしに胸が気になり、爆弾が設置されているかも!?とゴミ箱を一緒に押さえている際にも胸に目が行くほどの性欲の強さを誇る。
とにかく選択肢がめちゃくちゃで「①真面目②スケベ(もしくは軟派野郎)③クズ野郎(もしくはKY)」のようにお前の脳内どうなってんだよと言われても仕方が無い程度にはスタッフに遊ばれる羽目になる。
大切な出撃前に「お花見に行こう!」「海水浴に行こう!」と声高らかに叫ぶのは大神さんからの継承。めっちゃ好感度下がるんで過去作今作限らず選ぶ場合は慎重に。
天宮さくら
CV.佐倉綾音 凄く好きな声の人なのでもっとこういうギャルゲー・キャラゲー系に出て欲しい所存。
幼い頃に降魔から助けてもらったときに初代花組のトップスタァである真宮寺さくらに憧れそうなりたいと夢見る花組隊員の少女。
着物を纏い、頭に大きなリボンを付け、刀を武器にするといった真宮寺さくらとの共通点が多い。それもそのはずで、本人がそうありたいと願ったがため、という設定。
ストーリーを進めるとやたら現代チックなワンピースを着る機会がありますが、サクラ大戦の世界は太正であるため無問題。これも凄まじく可愛いんで必見。
真宮寺さくらに似た夜叉との話がクローズアップされることが多いため、メインを張る場面は多いんですがメンタルにダメージを受ける機会も多いため、序盤は精神的に不安定になることも必然多くなります。
見ているとそりゃ仕方ないよなあとは思うんですが、落ち込む→励まされて元気に→落ち込む、を何度か繰り返すためちょっとしつこくも映る。これはさくらのせいではないんですけどね。
さりげなく誘うものの、半スルーされて落ち込むさくらちゃん。この時体を左右に振るんですが、それがまたあざとかわいい。
神山とは幼馴染、というより昔馴染。最初から好感度が高めで色々な場面で押してくることもあるんですが、最初の方はスカが多い。演技練習のための壁ドンは見ていてニヤニヤが止まりませんでした。
なお、初代さくらのイメージにも強い嫉妬深さ・やきもち焼きな部分はあまり継承されておらず、誰かと仲良くしていると胸がもやもやする・・・といった程度。
もしかすると今後の展開で顕現化する可能性もあるため、油断はできません。いや可愛いんですけどね。初代さくらさんは時を重ねるごとにえらいことになってきました。
声優さんのおかげで泣き、叫び、笑いとキャラを作る要素がめちゃくちゃきちんと出来ていて、可愛いです。1週目は彼女のエンドでした。
東雲初穂
CV.内田真礼 低めに寄せた声がかなりしっかりしていてビックリした。
下町出身の巫女さん。男っぽい直線的な面も見えるけど世話焼きでパーティーのムードメーカー。意外と乙女気質なところもあって可愛い。
雰囲気的には初代の桐島カンナを思わせ、仲間思いなで本人はさっぱりしているムードメーカー。
さくらとは親友という関係で、お互いに自分が持っていない部分に憧れや敬意を見せている。
ゲーム版では確か触れていませんでしたが、漫画版で昔馴染みであることが話されてますね。
結構ギャップが光るキャラだと思っていて、褒められると照れるところや自分のことを初穂ちゃんと言っちゃうところ、怖いものなしに見えての高所恐怖症など可愛い点が豊富。
本人にあざとさがないため、するっと受け入れられましたね。
無限に乗るとハンマーで敵をカチ割りに行くのも・・・ギャップ?
初穂自身がクローズアップされる話が実は少なめで、巫女については多少触れられるものの、本人は他の隊員と比べて何も持っていないことをずっと気にかけていて、さくらの当番回でバッチバチに殺りやりあう際もさくらの持つ側と初穂の持たざる側としての対立になります。
この際に激凹みした初穂とのハートマークイベントがあるんですが、可愛すぎましたね。写真のやつはちょっと頭がおかしいんですが。
望月あざみ
CV.山村響 あざみの可愛さは声ありきです。にんっが可愛すぎて・・・。
望月流忍一族の末裔。シリーズ恒例のお子様飛び級隊員。その中では最年長の13歳。
幼いころから忍者として修行をこなしていただけあって、俊敏性や諜報力の高さがウリ。あんまり本編では活かしきれませんでしたが。
個人的には一番好感度が上がった子です。いやほんと可愛いんですよ、あざみ。
第一印象だと奇抜な服装と他のキャラに比べると地味目な顔付きなど、そこまで目を惹かれる要素がなかったんですが、実際に接してみるともうあざみじゃないと駄目だってほど可愛さに惹かれました。
忍者であるがゆえに、最初はどこか普通の子と価値観が違うあざみに神山くんも当初はとまどいがちでした。
ですが、当番回を迎えてからは神山に対して忠誠を誓うほど慕ってくれるようになります。
忍者として修行していたためなのもあって、メンタル面も強く緊急時でもあまり動揺しません。
かといって無感情なのかと言うとそうじゃなくて、個別のルートへ進むと一緒にいたい、寂しくて会いに来た、と言ってくれることもあれば、逆に作戦前で不安な神山を思って励ましてくれたり。気付けばもう好きでした。
アナスタシア・パルマ
CV.福原綾香 あんまりイメージ無かったんですが、もっとこういう役やって欲しいですね。
世界トップレベルのスタァ。世界華撃団大戦前に帝国華撃団へ移籍してきます。
ボロボロの落ちこぼれ集団だった帝国華撃団を歌劇団方面で底上げしていく。
どこか影があり、なぜ当時オンボロだった帝国華撃団へ移籍した来たかも分からず、深く関わろうとする周囲に大して壁を作っている。理由は・・・おいおいとしましょう。
可愛い子の多い新帝国華撃団においては、綺麗・カッコいいどころ。イメージとしては影のある部分を含めて、気になってしまう印象がありました。なんというかいると目で追ってしまう的な。
ちょっとネタバレが豊富になりすぎて話しにくいのが辛い!
クラリス
CV.早見沙織 流石の実力派!
北欧出身の文学少女。最初は帝国華撃団の現状に対してちょっと卑屈気味だったものの、当番回が早かったのもあって早い段階で神山に対して信頼を置いてくれるようになります。
こうなると素直で礼儀正しく優しく大人しめの性格であるため、後々影が薄くなりそうな気配を最初は感じたんです。
が、彼女の脚本家としてのうっかりさ魂がそうはさせませんでした。
ことあるごとに見つかる彼女の黒歴史秘密のノート。
そこには脚本という名のポエムが綴られており、何故か舞台裏やら食堂、ビリビリに破いて捨てられていたものを我らが神山隊長が探し当ててしまい解読されてしまう。
最後には見つかること前提でいいところで終わるようなミステリーを書き上げ、神山隊長をやきもきさせるほどの出来栄えに。
まあ多少悪目立ちなんですが、読書や脚本のことになると元々の性格とは別の面が飛び出してきたのはいい意味で新鮮でしたね。
神崎すみれ
CV.富沢美智恵 この方の高笑いはもう国宝とかにしていいんじゃないかな。
ご存知初代サクラ大戦のトップスタァ。現在は帝国華撃団の総司令を務めている。
元々は傲慢とも言えるほどの自信家であったものの、今では持っていた優しさ、思慮深さの方が大きく現れている。
今回の新サクラ大戦はある意味では神崎すみれの物語でもあると言っていいのかもしれません。
サクラ大戦の歴史がバッドエンドを迎えてしまっている中、ただ1人帝都で足掻き続ける人。
どこか昔を感じさせつつも、やはり自分だけが助かってしまった憂いもあってか未亡人のような雰囲気すら漂わせる。
すみれの引退も、富沢さんが結婚し役を一時降板することから取られた措置だったんですが、それがきっかけでこうしてまた別のすみれさんが生まれたわけですから、世の中何があるのか分かりません。
認めてもらえると、「あなたは二番目にイイ男ですわ!」と言ってもらえます。なんだか感慨深い。
アクションパートは練り込み不足
これまでのシリーズとは違い、新サクラ大戦の戦闘はアクションパートで進みます。
操作は簡単でコーエーの無双シリーズを知っていれば話は早いかと思います。
操作感は特に問題ないんですが、作りが甘いです、激甘です。角砂糖に練乳をかける程度には激甘です。
帝国華撃団が乗る機体、無限は例外を除いて全く進化・成長をしません。
唯一さくらが旧式の霊武から桜武に乗り換えるのみ。この際に斬撃が飛び遠距離攻撃が可能になりますが、モーションそのものは同じ。
アクション面で新しく攻撃方法が加わったり、レベルが上がったりといった成長要素は一切なし。
道中も結構長いためダレるんですよね。1話から最後まで全く同じ機体、ほぼ同じ敵と戦うんで。
攻撃方法が増えたり、後継機が出たりすればまだしもなんですが、そういったメリハリも無いため単調さが常につきまといます。
難易度もめちゃくちゃ簡単な上難易度選択もないため、ゲームをやり慣れている層からするとアクションパートそのものが物足りません。
何より最後のボス戦がギミックとして出来が悪かったのが、私の中では致命的でしたね。
大型のボスなんですが、攻撃そのものはかなり苛烈でこっちが攻撃する場面もしっかり見極めないとジリ貧になります。
・・・なるんですがこのボス、自分で召喚したザコ敵を自分でなぎ払い、回復アイテムや奥義ゲージアイテムをごっそり出現させます。
それを取ってりゃ負けないんですよね。どんだけ強力な攻撃を受けても「はいはい、回復してくれんでしょ?」で終わってしまいます。
緊張感が無くなった結果、楽しさや面白さよりも作業感だけが残ってしまいました。
個人的にはこれならアクションはおまけ程度にして、もっとアドベンチャーパートを強めに押していったほうがゲームとしては強くなったんじゃないかなと思います。
稚拙なシナリオ
第1話のシャオロンが筆頭。これは遊んでいて一番ないな、と思わざるを得ませんでした。
簡単に説明すると、敵が帝国華撃団の本拠地に異空間を発生させ侵略してきます。
ボロボロの帝国華撃団からはさくら、初穂、クラリスが出撃するも、さくら以外の二人の機体は動かすことができず、上海華撃団の到着を待てという指令を押し切り、さくらは1人で異空間内で奮戦し敵を複数撃破していきます。
そうしている内に上海華撃団が到着するも、隊長のシャオロンは「結局お前らはこんな程度だ!さっさと華撃団を解散しろ」と唐突に帝国華撃団を罵り始めます。
さくらは言い返します。自分たちは諦めない。真宮寺さくらさんのように悪に立ち向かい正義を貫くと。その夢は絶対に諦めないと。
だったら諦めさせてやるよ、とさくらに攻撃を仕掛け始めるシャオロン。え?何?もう戦闘終わってたっけ??
いいえ、全然全く終わっていません。敵地である異空間の中で解除の理由も分からない状況のままです。
本来なら手を取りあって原因の究明を行い、速やかに異空間の解除、及びに首謀者の捕縛をしないといけない状況。
・・・にも関わらず、出会い頭によそを罵り、挙句戦闘を仕掛けてボロボロのさくらの霊武を更に痛めつけ、神山が新しい機体で割り込み、敵が活性化してようやくストップする始末。そのままだったら本当に壊していた(=死んでいた)可能性もあったはず。
戦闘後、ちょっとは認めてやるよとなぜか上から目線で投げかけてきますが、いやいや、おたく軍法会議ものの違反行為しているんですよ?そしてなぜ誰も批判も何も言わないのか。華撃団大戦が楽しみだぜ・・・じゃねえよ。
と、ボロクソ言いましたが、シャオロン本人は凄くいいやつです。ここだけは間違えて欲しくないんです。1話を見た私は「こいつサイコパスやんけ!」とガチで思いましたが。
そりゃそうですよ。メタルギアソリッド2で例える(?)と敵要塞であるビッグシェル内部でファットマンとの戦闘中にいきなりプリスキン(スネーク)が雷電をガチで殺しにくるようなもんですから。・・・いや、実際一緒にいるときにこっちが撃ちまくると猛反撃してくるんだけどさ。
おそらく作った側は実はいいヤツってギャップをイメージさせたかったんでしょうね。
シャオロンは物事の分別も付いており、夢想家でもなく自分の現実の中で力を付けて登りつめた人。上海華撃団はアジア全域をカバーしていると言われるほどですから、その隊長ともなるとそりゃ生半可な人物では駄目でしょうから。
その後はなんだかんだ言いつつ・言われつつも良き隣人、良きライバルとして接していくことになります。
もしこれが正真正銘敵の襲撃中ではなく、1話で先に帝国華撃団が上海華撃団と軍事演習をする形を取り、そこでシャオロンに上のセリフを言わせてからボコボコにさせて、その最中に敵襲!と繋げれば、まだ体裁は保てたんじゃないでしょうか。
あくまでも演習中、だけれども甘い夢を見るボロボロの帝国華撃団に帝都の守護なんて務まらないから、現実を理解させてやるよってなったらまだシャオロンにも理がありました。
ですが、どれだけいい子だったとしても、やっていいことと悪いことをきちんと区別させてあげないといけません。これはキャラが悪いのではなくシナリオが悪いんです。
1話のシャオロンを見て明確に嫌いだと思った人も少なからずいるでしょう。最後まで嫌われ役で行かせるならまだしも、本当にいい子であったため、余計に不自然な第1話が残りました。
他にも4話のあざみ当番回で、あざみにスパイ疑惑がかけられ、延長線上で神山もスパイ疑惑がかかり二人揃って拘束されることになります。
なんだかんだで2人は脱出し、あざみの養父である八丹斎さんと一緒にプレジデントGの配下であるミスターIを撃退。
忍術を見せ付けられたミスターI以下配下の面々はヒーコラと逃げ去ります。
で、その後どうなるのかと言うと、それで終わり。それをダシにしてより重い罪を被せたりすることもできるのにそれもせず、当事者全員が「スパイ疑惑?何でしたっけそれ?^^」と言わんばかりに次話から誰も何も触れません。
当たり前のように華撃団大戦に出る神山とあざみ。放置したままのプレジデントG。うん、不自然!
展開としては、プレジデントGに悔しがらせたりさせて、
プレジデントG「くそ~、覚えていろよ~!帝国華撃団め~!!」
ってなったら、昔のアニメらしくスカッとした展開で進められたかもしれません。ばいきんまんもドロンジョ一味もやられてこそ華。
更に、5話でさくらが精神的ダメージにより静養のため帰省するパートがあるんですが、
①さくらと神山が喧嘩→②当日に神山のみ帝都へ戻る→③色々あってもう一度帰省先へ→④仲直りの場面で2人とも「この前」と連呼。
という流れ。何がおかしいのかと言うと、①から④の間の時間って1日しか経ってないんですよね。にも関わらず、2人とも「この前は~」と話すんです。ほんとにしばらく前のことを振り返るように。
普通「昨日は」って言いません?時間経過が不自然に感じられてしまう場面がそこそこ見受けられます。
どことなく継ぎ接ぎのように感じると言うか、整合性がいまいち感じにくいのが、稚拙だと感じる要因なのかもしれません。
不自然なボイスパート
サクラ大戦の目玉でもある魅力的なキャラと魅力的な声。
どちらも揃っていて行われるゲーム中の掛け合いも見ていて楽しいものなんですが、声が付いていない場面が結構多くて、キャラと文字の羅列だけで終わってしまうことも。
それだけならまだしも、急にふっと声が無くなったりするんですよね。あれはなんだったんだろうか・・・。
確かに旧作も同じようにボイスがない場面も多いんですが、今の時代にはちょっと合わないですね。ただただもったいない、そう感じます。
世界華撃団大戦
今回ある意味大活躍のプレジデントG。こいつほんとにやりたい放題でしたね(笑)
ツッコミどころが満載の世界華撃団大戦。中身も無茶苦茶なんですが、そこにはちゃんとした理由があります。私の中で一番気になったのは、世界華撃団大戦の歴史の浅さ。
ゲーム内では「誰しもが知るあの世界華撃団大戦!」となっているんですが、実際には回数にして3回、年数にして第1回から4年しか経過していない凄まじく歴史の浅い大会。
よそと比較すると、アニメ「ガールズアンドパンツァー」の全国大会は本編中に第63回目が開催(開催は1年に1回)。こっちはサッカーのインターハイ、野球の甲子園、ラグビーの花園といった歴史ある伝統的な大会の設定がされている。
この浅さに関しては帝国、巴里、紐育華撃団が消滅したのが10年前と考えると、歴史的な興行にすることができないための設定なんでしょうが、ゲーム内での扱いとの差が激しくすぎて不自然でした。
うさんくさい組織であるWLOFが宣伝しまくった結果とも考えられるんですが、やっぱり描写不足というか私は納得しませんでした。
これがまだ日は浅いものの、世界中を元気づけるために興された大会って扱いならまだしもなんですが、
「わああああああああああ!!!世界華撃団大戦だああああああああ!!!」
はちょっと良く分かりません。なんだか色々と不自然さを感じます。やっぱり歴史って大事だし設定作り・世界観作りはもっと大事。
かわいいキャラ達と魅力的なコミュニケーション
上でも触れた演技練習時の壁ドンさくらちゃん。この台詞の後の演技が神山くん本人が「演技とは思えないほどだ!」と絶賛。
ここまで下げて下げてが続きましたが、キャラのかわいさは本当にガチでした。
専用イベントとして一人称視点でキャラと接することができるイベントがあるんですがこのイベント、全員むちゃくちゃかわいいんですよ。
さくらや初穂は最初は落ち込んでいる状況から始まって、徐々に話題を振ったり、触れ合ったりしていくうちに元気を取り戻していき、そのまま良い雰囲気になり、あざみとは忍術を交えてきゃいきゃいと遊び、クラリスには逆床ドン
これらはゲーム中ではハートマークのイベントとして出てくるんですが、ハートマークが出てきたらテンションが数段上がります。それくらい素晴らしいイベントが勢揃いでした。
最終的にこれがVRで見られるようになれば、と考えてしまうほど、声、キャラ、雰囲気、全てが噛み合っていて最高にドキドキできました。これこれ、こういうのがもっと欲しいんすよ!!
ただ、キャラソンが流れ始める場面が多い上に結構主張が強く、特にクリスマスイベントは意識が散らされやすいため、こちらで音量の調整をしておかないといけないくらいです。ちなみにこれも過去からの伝統芸。
良くも悪くもサクラ大戦でありすぎたゲーム
最初から最後まで通して遊んでみた感想としては、新サクラ大戦は正真正銘のサクラ大戦でした。
何を当たり前のこと言ってんだと思うかもしれませんが、作りというか骨組みの部分が旧さくら大戦と同じで、同じすぎるとただの手抜きでしかないんですが、ちゃんと現代でも違和感が無いようにところどころ作りも変わっています。
華撃団同士での仲とか特に変わってますね。初代とかバチバチで殺伐とした雰囲気もそこそこ見受けましたが、新では仲そのものは全員良好でした。
さくらと初穂が殴り合いのケンカを始めたときはさすがにビビりましたが。
ストーリーも分かりやすい勧善懲悪もので、正義が悪を挫くを最初から最後まで通していくことになります。
正義、絆、信念。新サクラ大戦を表す言葉であり、全てになってしまった言葉でもあります。
あまりにもこの3つの割合が大きすぎて、ストーリーの単調さも目立ってしまいました。
最初は落ちこぼれだった帝国華撃団でしたが、特に何かがあったわけでもなく上海華撃団に勝ち、倫敦華撃団に勝ち、気付いたらお前ら強くなったな・・・となっているわけです。
これらの言葉を叫びつつも戦いを制していくんですが、プロセスがすっ飛ばされてしまい、達成感や感動が薄れてしまっている、と言いますか。
世界華撃団大戦→俺たちの絆で勝ち取るんだ!
後半戦→俺たちの正義は負けないんだ!
強くなる過程だったり、弱者なりの強者への対し方だったり、過程の描写がもう少しあれば「なるほど!そういうことか!」とよりストーリーにのめり込めるんですよね。
これは良く言えば単純明快とも言えるため、そこまで中身を求めていないなら楽しめる内容であるかな、と思います。
漫画版でまた違う展開を見るのもアリ
ゲーム発売前からヤングジャンプで連載中なのが新サクラ大戦 the comic。
ゲーム版とは展開が違う部分も多く、何より絵が可愛いです。
さくらにお風呂のシーンが追加されてたり、着替えのシーンで体のラインが強調されていたりと・・・やってくれたなオイ!(kindleポチー)
物語はさくら視点から始まり、さくらの上京から帝国華撃団への入隊、降魔との戦いから世界華撃団への流れは同じですが細かい部分が違っているため、別視点から見てみるのも面白いですね。
アプデが適応されるなら?
チャプターセレクト、もしくは回想の実装
好感度の関係上難しいかもですが、アドベンチャー要素を強めるためにもチャプターセレクトを付けて、出来る限りイベントを見返せるようにするのはいいんじゃないでしょうか。回想は難しいかなあ・・・。
ハートイベントを個別でやり直せたりできれば満点。セーブデータを作っておけばいいんだろうけど、面倒くさいです。
私としてはこれは絶対に追加されて欲しい。それこそ5話までなら動画で見りゃいいんだけど、そうじゃないんすよ!自分で操作して自分で見たいし言わせたいんすよ!!セガさんほんとよろしくお願いします!
アクションパートの簡略化
今からアクションパートを作り直すなんて不可能。であるなら、敵の耐久力をより減らしてしまい、もっと簡略化できるようにしてしまったほうが、いっそのこと清々しく遊べそう。
あとは吹っ飛びを弱くしてダメージを受けただけならその場で転ぶような感じにして、倒した場合にパァン!と吹っ飛んでいけば爽快感も維持。いかがでしょう?
まとめ
キャラはどの子たちも可愛く話しているだけでも楽しい!
・・・んですが、全体的に見ると大きな魅力を持った素材を活かしきれなかったな、というのが私の中での正直な感想。
キャラゲーにしても良い線いっているんですがボイスの半端さが足を引っ張り、ストーリーはお世辞にも良いとは言えず、アクションは言わずもがな。
今回のレビューでは、何度も不自然という言葉を使っています。新サクラ大戦で一番感じたことです。
物語の最後も結局ゲーム内では完結せず、いろいろと謎も残したままで幻都も降魔皇もなんとか再封印したにすぎません。
おそらくは2、もしくは完全版を考えているのかもしれませんが、続編は延長線上にあるのであってもし最初から続編が考えられていたとすればゲームとしては問題外。そんなこと考える前に一作で完結させろ、と。
そうは言っても、シリーズを復活させることができたことについては、とても喜ばしいことだとも思います。
次に新サクラ大戦2、3と繋がっていけば、もっと洗練されていくはずですから、そこに全力で期待したいですね!
“【レビュー】新サクラ大戦は大きな魅力を持った素材を活かせたのか?【ネタバレ含】” への1件のフィードバック