パズドラで久々に大炎上が起きました。スーパーゴッドフェス100連の件はただの炎上。
事件から2周間ほど経ち運営が収束を宣言したのを期に、安易な修正や弱体化がどれだけ遊び手からしてどれだけマイナス点が多いのか、今回はそんなお話です。

どんなゲームでもバランスのある調整というのは非常に難しく、だからこそ納得ができる調整が欲しいんですよね。

私自身格ゲーも多少嗜むため、調整はそれなりに身近にありまして。今回パズドラで起きた大炎上はどこをどうミスの調整だったのかを解説できればなと思います。ではスタート!

パズドラ、修羅の幻界の大炎上の真実

事はテクニカルダンジョンに合計21Fまである超難易度の修羅の幻界(以下修羅)が実装されたことから始まります。

ガチのガチ勢もこれはやべえと唸るほどの難易度で、当初はクリアできる猛者はかなり少なかった。

・・・かと思いきや、3日目にとある情報が出回ります。どうやらサレサレ無効パ(※)で行けるらしいぞ、と。
※リーダーサレーネ、フレンドサレーネを含んだ属性ダメージの無効パのこと。

サレサレ無効パの中身が気になる方は調べてみてください。そこまで突っ込むと長くなるためここでは割合。

無効パはクリアまでに時間がかかり、育成も手間ではあるものの、組めてしまえば安定感を保ちつつクリアが可能なパーティー。

今回話題に上がったサレーネというキャラはリーダースキルでランク経験値を1.8倍でもらえるようになるキャラ。フレンドも合わせて3.24倍の倍率になり、プラスアルファで光属性攻撃力2倍も付いていますが、現状だとほんのおまけ程度の性能を持ったキャラ。
攻撃力は物足りないけど、経験値効率を上げるために工夫して使うのがサレーネの特徴でした。

修羅クリア時のランク経験値がなんと4000万もあり、ランク上げによく使われる極練の闘技場でも450万と約9倍も差があります。
時間効率は極練の方がいいものの、スタミナ消費はどちらも99であり、スタミナの効率を考えると修羅にかなりの分が上がります。
サレサレでクリアすることでとんでもない経験値のダンジョンが3.24倍で取得可能になり、サレサレでクリアすると1億3000万ほどの経験値をいただけてしまえるわけです。

パズドラでランク1から1000までに必要な経験値は約43億。1週1時間半ほどかかるとして単純計算で33週、時間にすれば50時間ほどで大台まで突入が可能。
初めてランク999に到達したプレイヤーはリリース後から4年半近く必要だったことを考えると、比べ物にならないほど破格な効率でした。

これはまずい!と運営も気付き7月6日にお知らせを出し、7月8日(後に7月9日に変更)メンテナンスを実施し調整を行い、修羅の幻界のランク経験値を1/20の200万に下げ、経験値は同じ4000万ながらも無効パ対策を行った裏修羅の幻界を設置、お詫びに石10個と修羅の幻界のメンテ前までにクリア済みの人に石85個を配布し、石85個を期間限定から常設に変更。

がちゃがちゃした対応から無事炎上となりました。

この調整の一番の問題点って、実は無効パを潰したことじゃないんですよね。

どこがまずかったのか、どんなコンセプトで調整をしたのかをはっきりユーザーに示さなかったことが大炎上の根本の原因だと私は思います。

運営側の調整点で一番重要だったのは、想定外にランク経験値を獲得できてしまったこと。の1点です。
無効パ潰しではなく、サレサレによる運用パで上記の通り超効率のランク上げができてしまったことが決め手でした。

パズドラ運営チームです。

新たなテクニカルダンジョン「修羅の幻界【ノーコン】」は高難易度ダンジョンとして実装いたしました。しかしながら、特定の状況を作ると容易にクリアできてしまうという、バランス調整面の不備があった点を確認しております。

パーティーの組み合わせ次第で、いくつもの攻略方法が存在することはパズドラならではの魅力だと考えておりますが、現在の状態は今後のゲームバランスへ大きな影響を与えることが懸念されるため、「修羅の幻界【ノーコン】」の内容調整を実施させていただきます。

ですが、7月6日のお知らせでは大まかにしか書いてないんですよ。調整のコンセプトを提示したのは、プロデューサーである山本大介氏のツイッターのみ。
公式のツイッターでもそれらをリツイートせず、お知らせにもきちんと書かなかったことから、遠回しに無効パを潰しにかかってきたと見えてもおかしくなかったのが問題でした。結果論ではありますが、山本氏が出した調整のコンセプトを公式のお知らせや公式のツイッターで表明すべきでしたね。

私の個人的な意見としては、調整そのものは妥当だと思います。そのまま放置すると更にゲームバランスを壊すことは間違いなかったでしょうし。

遊び手に調整のコンセプトが伝わりきらず、無効パ潰しだと受け取った人、理不尽な調整だと感じた人、妥当な調整だと考えた人、バラバラに出てしまったのが一番最悪の結末だったと思います。遊び手同士が混乱すれば余計にネガティブになるのは当然。
まとめサイトやyoutubeなんかでも、経験値の効率に関しての言及はあまりなく既存の攻略パーティーを潰しに来たと解釈している人が多くて、それらの情報がどんどんゴチャ混ぜで伝わっていってとてもカオス。

結局は作り手側の想定不足とわちゃわちゃした対応が連鎖した大炎上。
修羅の調整も十分アウトだったし、伝えることは伝えて素直に謝って対応していれば、ここまで質の悪い炎上はしなかったんじゃないかなと思います。

調整ひとつでガンガン崩れていくゲームだってあるんです。巨大コンテンツになったパズドラでは想定外の出来事はこれからも起こる可能性は全然あります。

パズドラの運営はそこそこヘイト溜めやすい気がするんで、運営さん側も気を付けないとこれからよりシビアな評価が降りてくることになるかもしれません。

ゲームの調整で大事なのはバランス

こうしたヘタな調整は後から見てそのゲームにとって致命的になった、と言えることも多くあり、アプデできるからとタカを括っていると遊び手を激減させる原因になります。

格ゲー、FPS、カードゲームを筆頭に弱体調整自体はあるものの、とある条件に引っかかる弱体は遊び手を切り捨てる手になりかません。
それが、ただ強いものを弱くするだけの調整です。
これの一番つまらないのがそれまでできていたことができなくなること。

ここで話すのは登場から弱体調整されたもの。キャラだったりクエストだったりします。
調整の手が入らなかったものは入りません。有名なパズドラの曲芸師や白猫プロジェクトのパルメは調整はなく、その後にゲーム全体をインフレさせることでバランスを取ってしまう調整が行われることになります。

鉄拳7 リロイ

DLCで登場したリロイ。2019年12月10日に登場し、それから1ヶ月半後の大型大会「EVO JAPAN2020」で上位8人中6人がリロイで溢れた(普通は3人いれば多いと言われる方)
練度や精度が凄まじく問われる鉄拳において、異常なほど突出した強さでそれらをガン無視し最強キャラとして君臨。
大会でこのキャラが勝ったらブーイング、負けたら大歓声ととんでもないヘイトを集めました。
その後、3度に渡り合計30項目以上の弱体を受け使い手が激減。一気に玄人向けキャラへと変貌したものの、受けたヘイトは決して消えないものとなった。

見てもわからない人に簡単に説明しますと、ここに書いてあること全部弱体化です。ここから更に弱体化調整を食らうことに。

グランブルーファンタジー コルワ

グラブルで有名な話は限定キャラのアンチラが2000連超えても出なかった通称アンチラ事件ですが、大幅弱体化して返金騒動にまで発展したコルワは代表的なアカン調整のひとつ。次点でハレゼナ、グラニなどが存在しますが最近はひどい調整は見なくなりました。
どれくらいヤバいのかというと、ガチ勢が口を揃えて下方修正しないとゲームが終わると言うくらいのレベル。グラブルは属性でキャラを統一することが基本なんですが、当時はどんな属性でも余裕で出張しすることができたほど。現在ではそんなキャラは存在しません。
強すぎる故に引かなきゃ!と頑張った人を一気に萎えさせ、今回のパズドラの件で“行くも地獄戻るも地獄”点ではある意味共通しています。

シャドウバース 、ハースストーン

どちらも共通して強すぎるカードは期間を問わずに弱体化することでおなじみ。
調整不足というよりも、パズドラと同じく種類が増えていく過程で全部を想定できないがために、予想外の展開が起こるパターン。
ハースは最速で登場して次の日に弱体したこともあり、弱体化ありきで捉えている人も多い印象。あ、このカードナーフしそう、的な。そういう慣れもちょっとイヤだなあ・・・。

機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 ライトニングガンダムフルバーニアン

実装当初から全国のゲーセンを荒らしまわったと言われるほどの強機体。わずか10日で弱体化され、更にもう一度弱体化されている。
高速の変形で逃げから超誘導+強よろけ誘発のミサイルをバラ撒き当たったら追撃する厨ムーブ全開のスタイル。対策を知らない人は
エクバ2での新規参戦の3体目で、1体目のガンダムキマリスヴィダールでも強機体→弱体化が行われており、またかよと言われてしまうことになる。アッガイなんてなかった。

まとめ 意見を出すのもまた遊び手の調整案

思いついたものを並べてみて、たくさんのヘタな調整案を見てきましたが、こんなんでテンション上がる人なんておらんやろなあと思いつつ、調べててちょっと楽しかったのが私でした。

ゲームの楽しみ方って色々ありまして、今回のソシャゲの調整に関することも楽しみ方の目線でどう思うか変わってくるんですよね。

はちゃめちゃに強いものが弱くされて、勝つために使ってた人がガッカリしたり、そいつに苦しめられてた人が喜んだり。

調整する側も大変なのは一目瞭然なんですが、あまりにも酷いなと感じた調整に対してはユーザーとして意見を出すのも大事だと思います。

もちろん、上でも言った通りただ罵詈雑言を並べるのはNGですが、率直な意見は厳しいものであってもありがたいことであるのは間違いないため、きちんと言葉を届けるのも調整案のひとつになるんじゃないかなと思います。