パワプロアプリのH2コラボが納得できなかったんで、原作の素晴らしさとどうすれば納得できたのかを考えた

2020年9月9日からパワプロでH2コラボが開催されることになりました。

私自身は財布の事情で手に入れることはおそらくできませんが、テンションそのものはかなり上がりました。

やはり世代がドンピシャだったのが大きいですね。

今回はH2コラボの考察や、能力から見た各高校の適正審査・・・などではなく、比呂と英雄から貰える特殊能力などで納得できないことが多かったため、こっれはちょっと待った!となったわけです。

ついでに原作に触れる人が増える今こそ、H2を知らない人に対してこの機会に普及してしまえの精神で望みたいと思います。ではスタート。

H2とは?

あだち充先生作の野球漫画、1992年~1999年まで週刊サンデーで連載。全34巻。
もう20年以上も前の作品で、今もまだ月刊誌とはいえパワプロでもコラボ済みの”MIX” を連載中。どんだけ描き続けるんや先生・・・。

パワプロはMIXに加えて、超有名作のタッチともコラボされているなど、あだち先生自身も野球漫画の名作を数多く産み出しています。

特に有名なタッチは、私自身世代じゃないんですが知ってました。連載時期は1981年~86年と、すでに30年以上前ですが、和也の死亡後のシーンは「アニメ名シーンランキング」で必ず流れましたからね。
今の若い世代の人も知っているのでしょうか。年代の方おられましたら、ぜひともコメントへよろしくです。

作品のほとんどが野球漫画で、主人公とヒロインの顔が見分けがつかないほど同じで、普通に考えればそんなことしたら人気なんて付かないはずなんですが、作品の作りが凄く上手いんですよね。

H2はその最たる作品だと思っています。

・主人公が2人いて2人とも魅力的だったこと
・スパイスとなる恋愛要素も嫌味なく進行したこと
・脇を支えたキャラが多かったこと

など、全てが噛み合った結果の面白さかなと。

1年時はほぼ無名だった比呂と有名になった英雄、2年時に有名になった比呂と怪物になった英雄、3年時に怪物になった比呂と怪物の英雄。

この対比がやっぱり面白いんすよ。同じ舞台に立つことを望みながらも立場の違いがあった序盤、英雄はキャーキャーと歓声を受ける中、友人Aでしかなかった比呂が徐々に評価されていき、最後にはお互いに怪物、天才と呼ばれていくことになる過程が素晴らしいです。

高校3年間が34巻とかなりスピーディーな構成だったのもグッド。
34巻と聞くと長いように思うかも知れませんが、ほんとに読んでみれば分かりますが一瞬なんですよ。

恋愛要素も比呂、英雄、ひかり、春華の4人を中心に回りますが、野球の邪魔にはならずお互いを陥れるようなことなく、お互いを尊敬し認め合ってるからこそ起こる恋愛模様でしたね。

ここがおかしいパワプロアプリと国見比呂

ほぼほぼ想像通りの能力値ですね。グッドです。

中学時代は英雄、野田と同じチームで豪速球投手として全国区で鳴らしたものの、ヤブ医者に肘が壊れると診断され、未練を断つために野球部が存在しない千川高校へ。

入学当初はサッカー部に入部するものの、野球同好会とサッカー部の野球試合でナメたプレイを続けるサッカー部にガチギレし、試合中にサッカー部としてホームランを打ってから辞めて野球同好会へ。わざとハンデを付けたわけですね。

この試合の際に、野球を冒涜する木根に向け、キャッチャーとして返球で投げてグローブごと豪速球で吹き飛ばすシーンはめちゃくちゃかっこいいんですよね。
比呂の熱さと、サッカー部が揃いも揃ってなぎ倒されていく様がとてもスカッとする場面でした。

その後はヤブ医者が捕まり、きちんとした診断の結果全くの問題なしとなり、野球に本格復帰。

弱小の千川高校を同じく誤診を喰らっていた野田と共に、甲子園へと導いていくことになります。

ピッチャーとしての比呂は、MAX152kmの豪速球投手で、中学時代、英雄の打撃投手をしていた際に思いっきり詰まらせて「今はそんなすげー球いらねーんだよ」と文句を言われるほど。
コントロールは作中トップクラスでまさに正確無比。スタミナも無尽蔵でラスト以外にスタミナが切れそうになった場面はほぼなく、連投もなんのその。

と、ここまで見ればお分かりだと思いますが、パワプロで設定された得意練習が変化球は “違う” んですよね。

比呂の変化球はカーブ、フォーク、チェンジアップ(が投げれるらしい)、最後にHスライダーを投げますが、フォークは抜けて棒球になることもあるなど、変化球投手とは言いにくい完成度。
同じH2内なら、栄京の広田や伊羽商業の月形の方がより変化球投手であるため、比呂が変化球得意なのは余計に違和感ありありなんですよね。

球速コンがやはり一番ですし、球速スタ、コンスタでも変化球のみに比べたら違和感は少ないです。

投手金特の「強心臓」と「エースの風格」はバッチリ。ここはよく分かってらっしゃる。
アスレテ―ス高校の得意競技の陸上も、対象がスタミナであることを捉えると適正で間違いなし。サッカーは結局1ヶ月程度で辞めているため、適正であるとは言えません。やってたことも草むしりとパシリ、多少の練習参加程度でしたからね。

で、問題となる野手の金得ですよ。比呂と言えばサヨナラ男。英雄が打率もホームランも打点も上だけど、最後の場面は比呂のほうが上、と言っており実際に春の甲子園でも熱を出しながらサヨナラ打を放っています。
イメージの問題でもありますが、間違いなく伝説のサヨナラ男でしたよ。ええ。

あと、なんで上限付いてないんです??球速コンスタ、どこに付けても比呂によく似合ってるのに・・・。

あだち充作品ピッチャーの最高傑作とも言える比呂、他のメンツは長所が尖り過ぎていたり、明確な弱点を持っていたりする中で、ピッチャーとしての完成形が彼でした。

ここがおかしいパワプロアプリと橘英雄

おそらく意図的に特殊能力は抑えられている面はあるはず。

橘英雄はH2でのもうひとりの主人公の立ち位置にいる選手。

名門(成績的には古豪とも言える)の明和一高校に入学し、高一からレギュラーで4番。2年夏には優勝、3年夏には・・・。

不運と苦難の道を行ってしまった比呂とは逆に、野球名門校に入り順調に成績を残していく過程が描かれていきます。

比呂とも正真正銘のライバル同士なんですが、中盤までの千川は明和一よりも広田率いる栄京高校の方がライバルなんですよね。この対比もまた面白さでもあります。

野球エリートとして順調かと言われると意外とそうでもなく、最後の最後まで明和一はエースピッチャーに悩まされて2回甲子園を逃し、英雄自身も死球で骨折させられたり、打球を目に当ててあわや、という事故も起きました。

個人的に明和一と伊羽商の試合がすごい好きで、めちゃくちゃダイジェストで10ページもないんですが、千川と伊羽商が超投手戦だったことに対して、要所で得点を入れつつお互いに譲らない緊張感が、ダイジェストでもバンバン伝わってくるのが素晴らしいです。構成の大切さが分かります。

そんな英雄ですが、パワプロアプリにおいてはやはり納得しきれない部分が大きいですね。

得意練習が筋、打なのはグッド。当たり前なんですけどね。

金特の広角砲もまずまず。本当ならアーチストが一番好きなんですが、妥協できます。

そして、代打の神様。これっすね。ここが一番納得できなかったからこの記事を書き始めたまであります。

作中でも確かに代打でホームランを打つ場面はあります。怪我から復帰後に出て場外にかっ飛ばす一撃でした。
ですが、ここだけなんですよね。ホームランどころか、代打自体も。そもそも英雄に代打ってまずイメージに合いません、
1年から4番に座り、スタメン時は他の打順で打ってる描写が無く、逆に4番と言われることは山ほどあります。

付けるなら、アーチスト、安打製造機、不動の4番、精神的支柱とかも面白そうで、いくらでもやりようがあるでしょうよ、と。

投手の不屈の魂はそのままでもOK。投手としての描写もあんまりないんで、鉄腕とか怪童みたいな無難なやつでも可能。

で、上限アップですよ。走力と捕球とかどこに目ぇつけとんねん。ミート+パワーだとあからさま過ぎるから、パワー+肩が一番ベストに思いますね。あんまり目立ちませんが強肩でもあるため。

アスレテ―スの競技ですが、なんでもいいです。英雄は野球以外の描写が出てきませんが、スポーツ万能でもあるからです。

余談ですが、パワポケ14にヒデオという名のサードが敵のラスボスチームにおり、すでにゲスト出演していたんですよね。
当時のパワプロ(パワポケ)はパワーが1~255まであり、その中で200ととんでもない数値を持ちながらパワー+30になる豪力を持ち、チャンス◎も持っているため、240まで膨れ上がりました。

性能としては強いんでしょうけど、原作を見るとあれ?となってしまうのが非常にもったいない英雄。
大抵の人は気にしないのかもしれませんが、やはり原作に合わせた上で、

「そうそう、英雄ってこれだよな!」

と思えるような調整が欲しかった・・・。コラボってそういうもんだと私は思います。

まとめ

H2ではメインを張るのはこの4人なんですが、漫画そのものの魅力を出しているのは脇で出てくるキャラのおかげでもあります。

比呂と同じ千川高校には野田を始め柳、佐川、大竹、島と野球部入部までに一悶着あった子も多く。
逆に明和一は個人のエピソードは薄いものの、橘と仲が良い監督、上がり症の石元、クリーンナップの中井や大和田など味があるキャラが多い。
栄京の広田と監督の城山のコンビも大好きでしたね。こいつらいつコテンパンにされるんだろうと毎週期待していました。

コラボはそんな作品にもう一度スポットをあてて、知ってもらうことができる大きなチャンス。

今回もぶつくさと文句は言ったものの、パワプロアプリを機会にH2を知って、全巻見てみたよって人が増えたら一ファンとして私も嬉しいですね!

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