2020年10月28日、オクトパストラベラー 大陸の覇者が配信されました。早速遊んでますよ。

事前登録中の「オクトパストラベラー 大陸の覇者」を家庭用版を交えて面白さを伝えます!

事前登録はかなり前から行われていまして、家庭用ゲーム版オクトパストラベラーを含む前情報はこちらからどうぞ!

先に言いますと、めちゃくちゃ面白いです。ぜひとも遊んでみて欲しいゲーム。元のスイッチ版よりも洗練された部分もあって、素晴らしいの一言。

前日の27日に五等分の花嫁のソシャゲが出て、28日にこれ、29日にアナザーエデンの大型アプデがあるなど、重なりました。嬉しくも悲しい悲鳴により寝不足でございます。

今回はオクトパストラベラー 大陸の覇者のレビューのお話。別で書きたいお話も多く、私としては珍しい複数記事で整えていく予定です。

1つ注意点として、目次にもある『指輪の物語』から先はネタバレ多めになっています。できれば遊んでから見て欲しい部分ではありますが、全て把握したい方はそのままごらにただければ幸いです。

3分で分かる!オクトラ 大陸の覇者

・ドット絵と美麗な背景がマッチした世界観
・シンプルだけど理解も必要なシングルプレイRPG
・完成度の高い音楽
・ガチャはスタンダードな3%タイプ
・暗く、重く、悲しくも読ませるストーリーは賛否ある

元々のスイッチ版と世界を同じくしながら数年前の物語。多くのシステムはスイッチ版から引き継ぎつつもさらに磨き上げられた作品。

ソシャゲの要素は薄めで、公式からもシングルプレイRPGと呼ばれており、アナザーエデンを遊んだことがある人はそちらを連想していただければ分かりやすいはず。

ドット絵で練り上げられた世界に、秀逸な音楽、そして王道とはちょっと違う暗く重めなストーリーが展開され、誰しもが富、名声、権力を得られるわけではなく、成功に振り回される人たちも多くいることを思わせられる物語となっています。

RPG要素としては特技や魔法を使い敵を倒していきますが、敵のシールドとなり破壊すると気絶させられるブレイクゲージ、ターンが進むごとに味方が獲得できるブーストゲージなど、他のゲームにはない要素が存在し、活用できないとゲームが進められないほど大事な要素でもあります。

基本的にはシンプルで遊びやすいシステムなんですが、慣れも必要な分どれだけ理解が深められるかで変わるゲームでもあります。分かってくると奥深くなってくるんで、ぜひとも噛みしめて遊んでいただきたい!

スイッチ版との違いは?

大陸の覇者変更された点も多少なりとも存在します。前作知らない人は読み飛ばしてしまっても構いません。

特定の主人公は存在しない

画面は前作。ここのワクワク感が素晴らしかった。

スイッチ版では8人の主人公からひとりを選び、主人公に沿ったストーリーを展開しますが、大陸の覇者では明確な主人公はいません。

チュートリアルで引ける(おそらく)星4以上確定のガチャで引いたキャラが、暫定主人公として扱われます。

その後はキャラ編成で一番左上にしたキャラがストーリーで表示されます。簡単に変えられるためお好みで選ぶことが可能。

立場としては、ガチャで引けるキャラをひっくるめた旅団の長。ガチャキャラにもサイドストーリーがあり、これらを見ることで多少は関係性も伺うことができます。

一切喋らず、身振り手振りと「・・・」や汗マークなどで表現され、重要な場面では選択肢が置かれ、これを選ぶことで物語は進んでいきます。

物語の主軸になる3人の覇者から、一目見て気にかけられるなど他の人にはない魅力を持っているなど、ちょっと違う人。

物語が進むと、立場も変わりとあることが物語の主軸に置かれて進行していきます。この辺はやってみてのお楽しみということで。

パーティーが4人から8人に

 

 

前作。4人で相対しています。

今作。8人が並び挑みます。敵のHPも表示されてますね。

4人が常にパーティーに出続けていた前作と変わり、前衛4人、後衛4人の計8人編成に。

後ろの4人は戦闘には参加せず、ターンが進むとHPやSPが回復するようになっています。道中休ませたりしながら進んでいく流れ。

アイテムは廃止

回復アイテム系は一律廃止。HP回復のためには回復役が必ず必要になり、BP溜め手段のザクロも当然ないため、ザクロもしゃもしゃからのゴリ押し戦法は存在しません。

ジョブも廃止

前作でさまざまなジョブに付き、JPを支払ってアビリティを覚えることができましたが、そちらも廃止。

ガチャで入手できるキャラは役割が全て決められた上で編成していくことになります。

前作において上級ジョブを守っていた『理を司るもの』は今回は登場するのでしょうか。
あの音楽を聞きながら10分以上激闘していたあの時を味わうことはあるのでしょうか。乞うご期待。

オクトラ 大陸の覇者の戦闘システムについて

シンプルなRPGのオクトラですが、数少ないシステムはかなり重要。使いこなせないと進むほどジリ貧になりがちなので、しっかり使っていきたい。

シンプルなターン制バトル

俊敏のステータスを元に行動順が決まるターン制のバトルになっています。

コマンドは『たたかう』とキャラが持つ『アビリティ』3つ、そして後衛と『交代』の合計5つ。

アイテムを使ったり、防御したりといったRPG特有のコマンドは存在しません。

弱点とブレイクゲージ

どの敵も必ず弱点を持っており弱点の属性を突くと、備えられたブレイクゲージを削ることができます。

上の画像にある数字の『2』がブレイクゲージ。これを0にすることで、敵をブレイクさせられます。

ブレイクさせるとザコだろうがボスだろうが、1ターン行動不能、防御力ダウンと他のRPGではありえないほど有利な状況を作り出すことが可能。

属性は全部で14種類。剣、槍、短剣、斧、弓、杖、本、扇、炎、氷、風、雷、光、闇となっています。

オクトラでは如何に敵をブレイクさせるかが重要。ブレイクなしでこのゲームを進めることは無謀。裸で拳銃相手に突っ込むようなものです。

初めて見る敵は弱点が全て分からない状況から始まるため、バラバラの属性で攻撃して弱点を明かしていくことがセオリーとなります。

一度判明すれば忘れることはないため、雑魚敵はひたすらブレイクさせて殲滅していく流れになります。

このブレイクゲージと関連してくるのが次のブーストゲージです。

ブーストポイント

ブーストゲージは味方の行動を強化する強力なもの。
1ターンに1つ溜まり、使うことで消費され、最大で3つまで使うことができます。

オクトラを進める上でキモになる行動。
無駄なくブーストを使いブレイクゲージを削り、ブレイク後に大技を叩き込んだり、回復して体制を立て直したりしていくことで有利に状況を運んでいくのが基本になります。

たたかうコマンドが使用した回数攻撃に

通常のたたかうは全キャラ1回攻撃。ブーストゲージを1消費するごとに1回ずつ攻撃が増え、最大連続で4回まで攻撃することが可能。
SPを消費せずリスクなくブレイクゲージを削る手段になるため、使い場面は多いです。

同時にブーストを使っても攻撃威力は増加しないというデメリットも抱えます。ブレイク後にダメージを出すには不向き。

SPを温存するためのザコ戦、ブレイクゲージを削るためのボス戦と使い方もはっきりしています。

攻撃アビリティの威力強化

各キャラが持つ攻撃アビリティの威力が強化。ブーストの消費量が増えるほど威力が増えていきます。
SPを消費する上、今作ではSPの消費量が激しいため乱用はできません。

ブレイク後に大ダメージを出すための手段として使うのがメイン。通常時に弱点でもない属性で使うのはおすすめしません。

回復アビリティの回復量強化

地味ではありますが、緊急の防衛手段として有効。
ただ、やられる前にやれが基本のオクトラでは使い道としてはちょっともったいなくもあります。

強化、弱体アビリティのターン数増加

強化や弱体化にアビリティを使った場合、効果が上がるのではなく、継続するターン数の増加となります。

元が2ターンの強化・弱体化だった場合、1ゲージ使うごとに1ターン増加し3ターンに。最大で3つ消費して5ターンまで伸ばせます。

これを知っているのといないのとではかなり進行が変わってくるほど重要なポイントなので、きっちり覚えておきましょう。

4人×4人の隊列

オクトラでは前衛4人後衛4人の合計8人のパーティで進むことになります。

ドラクエをやったことがある人なら馬車による入れ替えをイメージするかもしれませんが、全くの別物

戦闘中に前衛と後衛の入れ替えはできますがルールがあり、自分の前もしくは後ろにいるキャラとのみ交代が可能。

後衛にいるキャラは戦闘に参加することができないかわりに、ターン消化時にHPとSPが回復します。1ターンで撃破した場合回復しない点に注意。

1⇔1 2⇔2 3⇔3 4⇔4 しか隊列を変えられません。

ドラクエと違う点がここ。好きなキャラと入れ替えることはできません。

これにより、4人パーティーのツーマンセル、8人1セットでパーティーが成立することになりました。

隊列の組み方も、ブレイクを前提にしていくことになり重要な要素になってきます。

最初は適当に組んでも余裕ですが、ストーリーが進むとボス戦がキツくなっていきます。
どちらかが倒れると後衛に戻すことができなくなり、HPとSPの回復手段が無くなってしまうなど、一気に不良債権化して長期戦に耐えられない状況に

だからこそ、先にお話したとおりやられる前にやれ、なんですね。相手にターンを渡さないままブレイクさせてダメージを奪っていくことがこのゲームでは核になります。

オクトラ 大陸の覇者のストーリーについて

オクトラでは大まかに分けて、最初は3つのストーリーを進めていくことになります。

富、権力、名声。チュートリアルでも説明がありますが、どこから始めても問題がないため、好きなようにやっちゃってください。

ストーリーは全体的に暗くて重め。ここから3人の狂人どもの強大さが際立つ分、こちら側に立ってくれる味方は容赦なく倒れていきます。

ここはオクトラの良さでもありますが、受け付けない人を作る場面でもありますね。これにハマってしまうと、某なろうなどの安易な”ざまあ”とか見れなくなります。あれはあれで悪くないんですが。

富のヘルミニア

裏切られ、信じることを忘れたか弱い女が、富を極め、執着し全て奪い尽くす。

ヘルミニア編はまさに “富” に呪われた者たちの物語。

主人公はヴァローレで出会ったマフィアの青年、バルジェロととある出来事を経てファミリーとなり、粉によっておかしくなった彼らの街を元に戻すために奮闘することになります。

マフィアやファミリーとある通り、全体的に雰囲気にアウトローさを感じさせる内容。

富を知って狂う人、富のために裏切る人、富を守るために殺す人。

それらを全て手玉に取り支配するヘルミニアはまさに魔女の如く恐ろしさがありましたね。

CVは公表されていませんが、間違いなく田中敦子さん。攻殻機動隊の草薙素子少佐などでおなじみ。

タイタスやアーギュストにも言えますが、怪演が過ぎてマジこええ。ドット絵なのに明確に恐怖やおぞましさを感じさせるのはさすがとしか言いようがありません。

ヘルミニアは元々はただの貴族家の三女に過ぎなかった人。なぜ富に呪われているとまで言われるようになったのか。

この過程を知るほど、ヘルミニアは憎い敵ではあってもどこか哀れでもあり、可哀相な人でもありました。

だからといって、作中で弄ばれた人たちへの罪は消えることはないんですけどね。このゲーム、ほんとに人の感情の揺れ動かし方を知ってます。

権力のタイタス

様子のおかしい暴漢に襲われていた目の見えない少女、リンユウを助けた主人公は彼女が恋人と住む家に招待され、歓迎される。

恋人であるヴェルノートは緋翼に所属する研究家。緋翼とは英雄タイタスが率いるエンダーグロウの守り人達。罪人を採用したりとあまり評判は芳しくありません。

ヴェルノートは緋翼で“緋晶薬”と呼ばれる薬の開発に関わり、万能の薬を求めていた中、死の薬となってしまったことから開発をやめ投獄されていたところ、恋人のリンユウを人質に取られ今の立場に収まってしまった人。

タイタス達”緋翼”とヴェルノート、リンユウを中心に進む、一見するとファンタジーのように進む物語は、そう安々とハッピーエンドには向けさせてくれません。

タイタスは18年前の異民族の侵攻を雷神の如き働きで退け、英雄となった男。
彼は異民族の危険性を知り、全て撃滅すべしと進言したが受け入れられず、聖火教会への憎悪も燃やすことになる。

タイタスの中での権力とは=自分が一番上であることで、教皇だろうが司教だろうが自分の言うことは絶対であるということ。
例え英雄であっても、立場だけで見るなら聖火教会でもただの一領主に過ぎないタイタスは徹頭徹尾自分が一番であり、誰よりも上であることしか頭にありませんでした。

権力を盾に人を意のままに操り、自らの思う通りに動かない人間を廃棄と称して正気を失う代わりに力を得られる“緋晶薬”の餌食にし尖兵とさせるようなド外道。

CVは小山力也さん。ボスキャラに相応しい迫力、自分以外を塵とも思わず排除する冷酷さは素晴らしい・・・と同時に憎らしくて仕方がありませんでした。

終盤に 「やはりこの姿のままでは・・・」 と漏らす場面があり、なにかの伏線を思わせます。さて?

名声のアーギュスト

劇作家のアーギュストと、彼の凶行に纏わる悲劇を被った人達の物語。

シアトポリスで演劇を見た主人公は、偶然劇作家のアーギュストと会話をすることに。
これを見ていた彼のファンのひとりが主人公をアーギュストの知人と勘違いし、手紙を渡して欲しいと主人公は頼まれ、アーギュストの後を追うことなります。
行き着く先で見たものは、演劇の指導に見せかけた凶行。主演の女優が絞め殺される場面だった。

その場に居合わせたアーギュストへ復讐を目論む、元劇作家のシュワルツに導かれるように、アーギュストの狂気を目の当たりにし、シュワルツの復讐の手助けをすることになる。

名声の物語は凄いです、私は3つの中で一番好き。この一編があるだけでもこのゲームの価値が高まると言っていいほど。

ミステリーやホラーを感じさせる雰囲気。CVは浪川大輔さんですが、この人に頭おかしい役やらせたら天下一品じゃないでしょうか。

彼の多種多様な『マーヴェラス!!』が認知された結果「マーヴェラスおじさん」という愛称が付きました。おめでとう、マーヴェラスおじさん。

行動が分かりやすかった他の2人と違い、自らの狂気を見せつけるように傷跡を残していく不可解さ、最後に待つとんでもない結末。

私は名声からシナリオを始めて名声を最後にクリアしたんですが、余韻が凄くて、そのまま一気に進められるほど引っ張られました。

まとめ

スクエニさんといえば、数年前までは粗造乱雑と言われるほど雑にソシャゲを作っては雑な集金を行いサービス終了を繰り返していました。

ですが、今回のオクトラは作りが凄まじく丁寧で雑な部分が無く、集金どころかどうやって利益取るのか聞きたくなるほどユーザー側に優しいゲームになりました。

今後の展開もすでにロードマップで発表済みとかなり緻密にスケジューリングされているようで、期待しかありません。

「これがゲームなんやぞ!」と言わんばかりに、ストーリー、ゲームシステム、音楽を最高のものを提供してくれました。

これ撮ったのが11月3日なんですがすでに30時間近く遊んでます。

時間を惜しむほど、時間を忘れるほど遊ばせるゲームはさすがです。

指輪の物語 ※以下ネタバレ注意

※ここから重大なネタバレ含みます※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでがオクトパストラベラー 大陸の覇者における、序章。プロローグでしかありません。プロローグ濃すぎじゃない?!

ヘルミニアは飲み込まれるように、タイタスは自らの意思で、アーギュストは倒されるために。

3人の覇者は、最後に指輪の力で正真正銘の怪物となるも主人公の前に倒れます。

普通に復讐して終わりだと思ってた私。

三者三様のあり方があって最後がありましたね。アーギュストの最後はシュワルツの正体も含めたどんでん返しでさすがに背筋がゾクッとなりましたよ。

全てを倒すと終章がスタート。名前は終章ですが、あくまでもプロローグの終章、といったところ。

3人の覇者から得た指輪が、邪悪な力に染められていることから、遠くオルサ島へ飛び、2人の巫女に封印してもらうも、邪悪さが勝り魔物が顕現してしまう。
主人公が倒すことで事なきを得てその場を去り、今度こそ封印を!の場面で同行していた何者かが化けていた聖火騎士団のサザントスが巫女を排除して指輪を奪い取り去っていく。

指輪の知らせにより舞い戻った主人公は、虫の息だった巫女の片割れから更なる敵の存在を聞き、新たな冒険に旅立つことになる・・・。

・・・というプロローグでした。この後も選ばれし者である主人公と旅団の旅は続きます。

いい意味で期待を裏切ってくれたと思います。3話という一見すると短めのストーリーながらも内容が凝縮しすぎていて飲み込めねえよ!!と言いたいほどピシッとした内容が詰まっていて。

さらなる巨悪といかにして戦い、全てを解決し、スイッチ版へと繋がっていくのか。まだまだ楽しみは盛りだくさん。これからも堪能していきたいゲームですね!