あんまり当サイトでゲーム系以外のアプリって取り扱ってなかったんです。
だからなんだと言われたら返す言葉が無いんですが、サイト名だと”スマホアプリの始め方”とありまして、本来はもうちょっと色々なアプリを紹介するサイトのはず・・・だったんですよ!
そんな想いから今回はマンガアプリのお話にしました。おすすめ系の記事なんですが、中身を絞り小説家になろう(以下なろう)を原作とした異世界ファンタジー系の漫画限定となります。
漫画はジャンルも幅広く多いため絞らないと文字数が多くなりすぎてえらいことになるための措置となりました。
なろう内での異世界ものはかなりメジャーなジャンル。今回は私自身の好みで選びましたが、少しだけ制限も入っています。
アニメ化はされていないという条件です。さすがに漫画になっている作品で限定しているとほとんどが書籍化しているため、そこを制限することはできませんでした。
まだまだマイナー寄り・・・だと思う作品もあるかなと。ではスタート!
禁断師弟でブレイクスルー 勇者の息子が魔王の弟子で何が悪い
【連載媒体】アース・スターコミックス、ニコニコ静画
魔王が勇者に倒されてから15年。勇者の息子である【アース・ラガン】は日々を勇者と比較されながら鬱屈した毎日を送っていた。
ある日、屋敷に封印されている勇者の剣を見たアースは倒されたはずの大魔王の霊と出会うことになる。
剣に取り憑いた大魔王はアースへと取り憑き、鬱屈したアースに囁く。「私がお前を鍛えてやろう」
世間と周囲の人間を見返すために受け入れたアースは大魔王に弟子入りし自らを鍛え上げていく。
運命の場となった御前試合でアースが与えた衝撃と、その真実とは・・・?
何をやっても周囲の天才二世達に勝てず、両親も自分を理解してもらえず卑屈になってしまっていた勇者二世が、敵であるはずの大魔王とタッグを組み修練を積み周囲を見返してやろう!という物語。
なろう版ではテンポと勢いの良さ、ムカムカさせられるポイントとそれらを全て吹き飛ばす話の広げ方・閉じ方の上手さ、ストレートな熱さといった王道なファンタジーものの部分が凄く光っていて、飽き性な私が1話から300話を超えてもなお毎日張り付きながら更新を待つ作品。
常に人の名前で遊びまわる作品でもありまして、そもそも大魔王の名前が【トレイナ】(トレーナー)、アースの婚約者の名前が【フィアンセイ(フィアンセ)】、アースのクラスメイトで御前試合に登場する【コマン・パイパ】とか【ゲリッピー・ユルイ】 あんまり過ぎて吹き出しました。こいつらも生きてんやぞ。
漫画版ではアースと大魔王トレイナの関係がきちんと表情が付いてより親しみやすい内容になっていたり、初期のヒロインでもあるメイドのサディスや実はちょっと不遇な立ち位置でもあるフィアンセイ姫とのやり取りも原作より増えていてちょっとだけ報われている面も。
2020年11月現在、まだまだなろう版で言うところの1章の半分くらいなので、面白かったら原作を見て欲しいです。
あわよくば買って・・・と言いたいんですが、1000円超えのラノベなんでちょっと気軽には言えない辛さもあります・・・。編集さん3巻待ってますよ!!
反逆のソウルイーター
【連載媒体】アース・スターコミック、ニコニコ静画
鬼門と呼ばれる魔を封じる扉の守護を帝国から任される御剣家。
嫡男だった【御剣空】は試しの儀を超えられず、勘当を言い渡され島を追放される。
遠い地で冒険者を夢見るも、才能は開かず、信頼していた仲間にも見捨てられ、果ては裏切りを受け殺されそうになる。
魔物に囚われた空に、生きながら喰われる最中、なにかが囁きかける。全てを喰らえと。
覚醒した空は裏切った元仲間やギルドへの復讐を誓う・・・。
こちらも最初は何もなかった主人公の空が、命を無くす状況で自らの底にある存在を覚醒させたことで開花し、復讐へと向かうダークファンタジー。
ダークとは言いますが、そこまで暗さに寄りきっていなくてきちんと仲間も守るべき存在もいるため、復讐ものとしてはライト寄りかなとも思います。
裏切った仲間や庇い立てするギルドに対して、単純な力で復讐するのではなく、地位や名誉を脅かした上で自分の踏み台にするかの如く蹴落としていく様は他の作品にはないスカッとさがあります。安易なざまぁに頼らずに追い詰めていくのもグッド。
リアルで見ていたときもギルドの受付嬢がほんっとに嫌いで、最終的に痛い目に遭うわけじゃないんですが、目にも入らないような扱いでさっと終わらせたのは胸が空くような気持ちで読んだ覚えがありました。
おすすめは覚醒後に【隼の剣】を追い詰めていく15話から17話までの流れと、ネタバレ防止になりますが、89話からの一連の騒動が終わるまで。
漫画版の作者は、なんとあの【幼女戦記】の東條チカ先生。スタジオの記載もあるため全体で作っているのかもしれません。
圧倒的な作画とラノベ版とはまた違った人物絵キャラの迫力。空がベルゼブブに喰われる描写から覚醒までの流れはここまでやんのかと正直驚きました。
ただ、残念ながらまだまだ序盤も序盤。漫画1巻も出ていますが追放から裏切り、覚醒までで終わるためスカッとする場面は先。
・・・というわけで、やはり好みだと思ったらなろう版もしくはラノベ版買ってね!2020年12月に4巻が出るよ!
最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える
【連載媒体】コミックガルド、ニコニコ静画
英雄のと呼ばれた祖父を持ち、最強の探索者【シーカー】を目指す少年ノエル。
だが、発言したジョブは支援職の話術士。
戦闘には不向き、支援はできるが個人の戦闘スキルは弱いと言われているジョブ。
最強を目指すなら絶望してもおかしくない場面でも、ノエルは俯かなかった。
なら最強のクランを従えれば、実質最強だ。そう考えたノエルは自らの野望を叶えるために努力を積み重ねていく。
この作品は主人公のノエルを受け入れられるか否かが全てだと思っていて、目的のためには手段を選ばず、善悪など関係なく苛烈なことでも平然とやってのけるヒーローとは程遠い主人公。
普通なら爪弾きにされてもおかしくないこの男ですが、戦闘能力の低さを補って溢れ出る強烈なカリスマ性に対してどうやっても人を惹きつけて止まないのもまた事実。
作品開始時に所属していたクランのメンバーが金の横領による逃亡を図った際も、何一つ情け容赦無く追い詰め捕縛し奴隷商人に売り渡し金にするといった行為も息を吐くように行われます。
脅すわ、見せしめにするわ、容赦なく殺すわ、と中々に外道。母親譲りの可愛い顔がよりギャップを誘い、畏怖と敬意を呼びます。
漫画版はラノベ版に比べて作画が尖っていて、賛否分かれそうな気もしますが作品の雰囲気にはよく合っていると思いますね!
特に裏切り後の元パーティーメンバーである聖女のタニアが、自分勝手に罵詈雑言を吐くシーンは顔芸と一緒に飛び出すセリフが人が産んだ醜さや必死さをこれでもかと表現しているのは素晴らしい。
今後も続くようなら、負の情念や醜悪さ、そんな中でも光る人間味。酸いも甘いも感じさせてくれるのではないでしょうか。期待したい。
・・・こちらの作品もまだ1巻ではノエルの紹介と旧クランでの出来事のみで、なろう版も第4部くらいまで進んでいたんですが、書籍化を含む事情もあって第2部で完結という形になっています。
ラノベ版と漫画版どちらも書籍化は進んでいるんで、そちらをお楽しみに、ということで。
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い
【連載媒体】ヤングエースUP、コミックウォーカー、ニコニコ静画
強大な軍事力と広大な大地を持ったアードラシア帝国。
皇太子がいない帝国では帝位争いが行われており、他の帝位候補は様々な手で皇太子の座を狙う中、誰にも注目されず帝位争いにやる気を見せない皇子がいた。
アルノルト・レークス・アードラー。双子の弟皇子であり人格、能力共に優秀なレオナルト・レークス・アードラーと対比され、付けられたあだ名が出涸らし皇子。
そんなアルノルトには誰にも知られていない裏の顔があった。
大陸に5人しかいないSS級冒険者・シルバー。禁忌とされる古代魔法を操る男。
やる気が欠片もないアルノルトだが、激しさを増す帝位争いの前にとある決意をする。
「他のヤツが皇帝になったら殺されるから、弟を皇帝にしよう」
こうして、誰も知らない裏の顔を持つアルノルトの暗躍帝位争いが始まる。
この作品、正式には最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い ~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~ です。
長いタイトルに騙されることなかれ。ファンタジー要素と戦記要素も兼ねており、表向き進められる帝位争いとその裏で蔓延る陰謀との戦いなど、かなり読み応えのある作品になっています。
主人公のアルノルトは最強クラスの古代魔法使いなんですが、魔法そのもの制限に加えて、自らを表に出してはいけないという制限もあり、意外と制約が多く苦境に立たされる場面も多いんですが、自らの知恵や機転も利かせるが故の最強と。
開始当初は3人の皇太子に大きく遅れを取っていたレオナルト陣営を影で支え、レオ自身の能力も相まって第4の候補として登っていく様も見所です。
漫画版では0話からアルがシルバーとして討伐をする場面から始まり、帝位争いの様相の解説、優位位置にいる3人の誰かが皇帝になった場合、自らの命はないことを断言しレオを皇帝に上げる決意をする場面で終わります。
この0話がかなり分かりやすくて、絶対漫画は面白くなるわと確信しましたが、当たりでしたよ。
ヒロインであるフィーネが漫画版はめちゃくちゃ可愛いんすよ!ラノベ版が可愛くないんじゃなくて、漫画版がドンピシャすぎました。
ラノベ版が100点なら漫画版は160点くらいあります。しかもラノベ版に比べてちょっとお色気的なシーンが増えています。グッドどころかゴッド。
左側のアルとの初対面時のショットは、オーラすら纏っているように見える。実に神々しい・・・。
youtubeにてアルノルトを松岡禎丞さん、フィーネを茅野愛衣さんが担当されるCMもあります。ノゲノラか!
難攻不落の魔王城へようこそ
【連載媒体】ガンガンオンライン、ガンガンオンラインアプリ
魔王と勇者が相争ったのも今は昔。冒険者が行うダンジョン攻略はエンターテイメント化された世界のお話。
冒険者も魔物もダンジョンに魔力を用いた”分身体”で作られ、誰も死なないダンジョン攻略は民衆に大人気となった。
世界4位のパーティーに所属する【黒魔導士】のレメは、多数決によりパーティーから追放されてしまう。
不遇職と言われる黒魔導士であるレメは、他のパーティーに加入することは叶わなかった。
途方に暮れるレメにひとりの美女が声をかける。
「どうか、私の話を聞いていただけませんか?貴方は相応しい立場と尊敬を得るべき方です。私にはそれを用意する準備があります。」
断れなかったレメが連れられてきた先は、難攻不落と言われる魔王城だった。
正式名称は【難攻不落の魔王城へようこそ~デバフは不要と勇者パーティーを追い出された黒魔導士、魔王軍の最高幹部に迎えられる~】です。やっぱり長い。
あらすじの通り、冒険者が行うダンジョン攻略はエンタメ要素になっていて、ゲームの大会やスポーツの試合を見るような感覚で楽しめる娯楽。
ダンジョン内では魔力体であるアバターを使うことになり、仮に死んだとしても戦闘不能の扱いになります。
作品内は命を賭したやり取りではなく、お互いに力をぶつけ合い観衆に見てもらうことがメインになるため、ギスギスした感じや殺伐さよりも爽やかさの方面に強いのも見やすさに繋がっていてグッド。
外から見た時、この作品は【追放モノ】で【実は主人公が最強モノ】なんですが、少し毛色が違う形になっているのも特徴。
主人公のレメが追放される流れもあくまで実力と人気面での兼ね合いを考えてのことであり、ただの追放とはまた違った形なんですね。
パーティーのリーダーであるフェニクスは主人公とは親友で、追放を食い止める側だったんですが、パーティーメンバーの不満に押される形で許容してしまうことで追放が行われてしまいます。
フェニクスがとある場面で激怒するシーンがあり、そこが初期での見せ場じゃないかなと思います。あのシーンがあるからこそ、レメの追放は仕方がないものでもありながら、許されてはいけないものにもなりました。
それがあるからこそ、レメ率いるダンジョン【魔王城】 vs フェニクス率いる【炎の勇者パーティー】が熱く燃えさせる展開に感じさせてくれます。
追放モノでは【ざまぁ】がつきもので、ある意味ざまぁな展開も存在するんですが、よりその後へと繋がっていくため、ざまぁが一番の盛り上がりどころで終わらないんですね。
ありきたりな追放モノなら、主人公は成り上がり、追放した側は落ちぶれていくことがほとんどですが、こっちでは【魔王の参謀】となるレメと【世界一を目指す勇者】のフェニクスが親友でありながらライバルでもあるという形もより爽やかさに貢献しています。
漫画版は原作の雰囲気をしっかり捉えていて、主人公のレメがクッソ地味なんですよね!そりゃ(作中での)人気は出ませんわな!
ラノベ版の方がシュッとしていて男前なんですが、個人的には漫画版の方が “レメ感” がある。レメ感?
ヒロインのミラさん。さすがの美しさですが、どことなく本性も出てしまっている彼女。
レメさんが(良い意味で)地味~な分、あなたとカシュちゃんの負担が大きいんだぞ!
まとめ
・・・自分の好きななろう発漫画をばーっと並べてみて、気付いたことがあります。
『ほとんどの作品が(2020年11月現在)1巻しか出てねぇ。』
ということ。漫画の紹介なのに結局ラノベの紹介にしかなっていません。正直すまんかった。
かといって、今更ゴブリンスレイヤーとか魔法科高校の劣等生とかすでに一定以上の知名度の作品を挙げてもなあ、とも思うんですよね。
私の趣味嗜好で紹介した今回のラインナップですが、いい作品はかなり多いと思うんでぜひとも興味を持ってもらって、一度触れてみてくださいな。
次回は漫画アプリ編、現実恋愛作品に続きます。異世界転移は作品の絶対数も多く疲れそうなんでまた今度。