2020年12月15日、サクラ大戦シリーズの最新作、サクラ革命が配信開始になりました。

【事前登録】サクラ革命の情報まとめ、運営会社、声優やキャラクター、FGOとの接点は?【サクラ大戦】

2019年には完全新作となる新サクラ大戦が出るなど、一時はシリーズ終了を噂されただけにこの流れはものにしておきたい!

・・・ということなんですが、残念ながら現状ゲームとしての評価は低め。

個人的に強く思ったのが『サクラ大戦じゃなくてよくね?』でした。

ここは難しいところだなーとは思います。過去作と全く同じにすると新鮮味がなく、今回のように改変部分が噛み合っていないように感じると違和感を覚えてしまうわけでして。

過去にもサクラ大戦5で似たような評価を受けたことがあり、主人公が大神さんでは無くなり、過去のメイン登場人物が一切出なかったことから、そんな評価を受けています。

続きものの宿命ですね。引くも地獄、戻るも地獄はよくあるパターンです。

今回はそんな苦境を迎えてしまっているサクラ革命のレビューになります。全体的なゲーム内容をさらいつつ、どこで問題があるのかなど、ちょいとネガティブな話も多め。

悪くはないんですけどねー・・・。もうちょっとゲーム全体の整備・調整は必要だったかなとも思います。ではスタートです。

 

※この先、サクラ革命の一章クリア辞典でのネタバレが存在します。ご注意下さい。※

 

5分で分かる!サクラ革命について!

・これまでのサクラ大戦とは根本から異なる
・仲間内の雰囲気は過去最高レベル
・オート機能搭載!!
・ガチャは最高レアのキャラは3%

・ストーリーはあまり期待できない
・キャラデザと霊子ドレスのデザインが賛否両論

過去のサクラ大戦とは根本から異なっていて、過去作をやった人はサクラ大戦の要素をいくつか持った別ゲーの感覚でいたほうがいいと思います。

開発会社はfate/grand order(以下FGO)のディライトワークスということもあって、FGOとシステムがめっちゃ似てます。戦闘、育成、ストーリーの進め方などなど。

それらのシステムがいくつか改良がなされており、一番の目玉はオート機能が搭載されたこと。FGOには無いことから、サクラ革命でも搭載されないのでは?と考えられていましたが、無事に搭載されました。FGOにも付けてよ・・・。

物語内では、目的のために全国各地を旅して仲間を集めつつ敵と対峙していきます。

そんな事情もあり、帝国華撃団の隊員がガンガン増えていくんですが、チーム内の雰囲気は良く安心して見ていられます。

・サクラ大戦1,2>>序盤はピリピリムードからバッチバチのケンカも多い。
・サクラ大戦3>>隊員の性格上あまりケンカはない。
・サクラ大戦4>>帝国華撃団と巴里華撃団で結構バチバチ。
・サクラ大戦5>>隊員が個性的すぎてケンカなのか分からない。
・新サクラ大戦>>さくらと初穂が半殴り合いのケンカ。個人的にガチでビビった。

など、作品によりけりではあるものの隊員同士の個性がぶつかり合った結果良くも悪くもバチバチやり合うのもサクラ大戦の持ち味でもありました。

こうしたやり取りが物語中に進むことで、仲間同士の絆が強固に結ばれていくんですね。

サクラ革命では出会いの段階から和気あいあいとした雰囲気が強く、ケンカそのものはあるんですがギスギス感はあまりないのも特徴。現代風に丸いストーリーになったとも言えます。

ストーリーそのものはストレートに言えば、特に言うこともないレベルといった感じ。FGOクラスを期待するとちょっと肩透かしにあうかも、というのが私の評価。

複雑で難しい話は特になく、鹿児島からスタートして各都道府県で味方と出会って敵を倒して、を繰り返していくのが基本。

勧善懲悪でシンプルに分かりやすいのは、過去の勇者シリーズやライダーシリーズを思い浮かべてくれればいいかもしれないです。

気になるガチャはキャラと装備品である護符が混ざりあったタイプ。最高レアはキャラクターと護符合わせて9%と極めてスタンダード。

ピックアップされているキャラの排出率も1%そこそこと高めで、引きやすいっちゃ引きやすいレベル。でも出ない時は出ないレベルでもある。これくらいの確率は難しいんだよなぁ・・・。

サクラ革命のストーリーに関して

事前情報やアニメでは、主人公の大石が咲良なでしこと会い、そこに大帝国華撃団BLACKの統星プラナの襲撃を受けながらも帝都を脱出し、娘の咲良しのと出会いBLACKとはまた違う帝国華撃団を率いることになるシーンでした。

サクラ革命は、主人公が警察官として帝国華撃団に配属されたときから始まる。桜は咲き、街が彩り溢れていた時代。
降鬼の襲撃に負傷した吉良時実首相から一時司令に任ぜられ、吉良が主人公に見出した”天眼通”の力が開眼し撃退。その功績によって帝国華撃団BLACK所属となる。

吉良からの次の指令は、テロリストの捕縛。その名は、咲良なでしこ。

なでしこと相対し、ミライエネルギーや吉良時実の正体を聞き、”天眼通”で見た未来となでしこの霊力の輝きを信じた主人公は、BLACK

帝都、東京から始まる物語は遠く青ヶ島へと渡り、その後日本全国を周り、人々の笑顔のために公演を行いながら、九種類の神器を手に入れるためにゆく。

帝国華撃団の命運は如何に――――

これまでの作品は一箇所を中心に物語が展開してきており、1、2は東京、3はパリ、4で東京に戻り、5がニューヨーク、新で東京に戻りました。

今回は移動式の舞台と共に、帝国華撃団は全国を行く!と言わんばかりの行脚を行いつつ、各地方で仲間を集め、敵の追撃をかわしつつ旅していくのがサクラ革命の流れとなります。

隊員も決まった人数で始まりから終わりまで突き進む過去のシリーズとは真逆を行く形になりました。

青島ふうか

右から2番目がふうかちゃん。それにしてもきりんさん(右端)マジ男前。

青ヶ島3人娘のひとり。サクラ革命はふうかちゃんがいないと絶対に成り立たない物語と言えるほどの超重要キャラ。

その理由は霊子ドレスの作成、移動式公演舞台の整備など、ありとあらゆるものが彼女の手から生み出されているから。

同じくメカニックとしては初代に登場する『李紅蘭』が似た系統として存在し、こちらが霊子甲冑の開発者であり、対するふうかは霊子ドレスを開発したことが共通。

各都道府県で出会う乙女たちにフィットする霊子ドレスも即座に用意してあるほど。少なくとも用意していなかった場面は私は確認できませんでした。

今はもはや懐かしい『こんなこともあろうかと!』を体現する人。伏線等を一切無視し、あらゆるご都合主義を実現するお言葉。

私の中では機動戦艦ナデシコのウリバタケさんのイメージ。

見たことがない機械を見るとちょっと気持ち悪い顔になってメカオタク化するんですが、紅蘭と違って発明品を爆発させたりはしないのも強み。

私が吉良首相なら主人公なんて差し置いて、真っ先に彼女を帝国華撃団から引き離して整備関連を一切できないように封じます。これだけで吉良首相の大勝利間違いなしです。

それほど超有能キャラであるふうかちゃん。本人は現状戦わないため、スパロボで言うアストナージポジションに落ち着いています。おそらくストーリーが進めば覚醒のイベントが来るはず?

神子浜あせび

青ヶ島3人娘のひとり。しのとふうかの幼馴染で、一足先に青ヶ島を出て九州で女優への道を模索していた。

九州解放の他にあせびとの再会を目標としていたら、一番最初にたどり着いた鹿児島で速攻再会。

帝国華撃団として公演を行う上で、女優を目指している経験を活かし中核として個性的なメンバーを牽引。

・・・するも、第一章の最後でBLACKに敗れかけた帝国華撃団をかばう形でBLACKへ入隊することに。

NPCとしては登場していましたが、ガチャに登場していなかったため、なんかあるんやろうなとは思っていましたがまさかの転身。

ただ裏切りではなく、駆け引き・交渉の結果であることから、帝国華撃団内ではヘイトを買わず、むしろ申し訳ないと思われることになりました。

そうなると、チラつくのが洗脳。むしろこうなったら洗脳しかないやろの精神。古の時代からバトルアニメと洗脳は切っても切れない関係ですからね。

吉良時実

我らが内閣総理大臣。そして大帝国華撃団ブラックの支配人。見るからに怪しい人。

ミライで未来を生きよう!と声高らかに宣言する吉良さん。

同じような絵を二枚も挟まれる吉良首相。ご無事ですか?(笑)

新帝都タワーの稼働宣言直後に降鬼からの攻撃が直撃。重症を負ったらしく、ただの一警察官である主人公に指揮権を渡し一時退場。

そのままBLACKの司令を渡すのかと思いきや、どうやら実際には怪我はしていなかったらしい。「君の力を見極めたかったんだよ」と、マッチポンプ臭さをプンプンさせ、その後にあっさり正体を表すんですが。

今ある情報の中では彼は黒幕ですが、それだけで終わるとは思えないため、より巨大な何かの尖兵的な位置じゃないのかなとも邪推。

当面の間は大ボスとして君臨することになります。絶対にその上のポジションに人がいるのは間違いないんですが。

BLACKを操り、各地方の総督の連中に好きなようにミライを奪わせてエネルギーへと変換する吉良首相の目的とは一体!?まあどうせ人ならざるものなんでしょうけど。

主人公

アニメでは男版の大石義孝が登場し、ゲーム版では男女選択式になっています。女性版のデフォルトネームは”大石由良”

“天眼通”という未来や他者の霊力が見えるビジョンのようなものを持っていて、これを活かし指揮を担当することになる。

国を正しく導くことの出来る特殊な霊力の一種で、吉良首相やなでしこはこれを持つ人物を探していたらしい。

吉良と出会い・決別し、なでしこと出会い、青ヶ島でしのやふうかと出会い、古の帝国華撃団をもう一度立ち上げることからサクラ革命の戦いが始まります。

今回は直属の上司となる司令が存在せず、主人公自身が司令として行動していくことに。

これまでのサクラ大戦シリーズの主人公とは根本的な作りが離れてしまい古来から見てきた “隊長らしさ” は薄くなってしまっているのはちょっと残念な点。

というのも、FGO形式で基本的に選択肢でしか喋らず、声も姿もほぼ出ないため、印象がめちゃくちゃ薄いです。必殺技を使うと今だ!!とカットインを入れてくれるんですが。

普通のゲームならそれでいいんですが、このシリーズでは主人公が大きく物語に参加してこそなんですよね。

正義感が強い、優しく真面目、刀を得意とし、劇場のモギリ役、スケベさと偶然が合わさり風呂場の覗きが発生する・・・。

など、大神一郎、大河新次郎、神山誠十郎と続く隊長の系譜があり、主人公=隊長の存在感はとても重要なんです。

戦闘システムについて

戦闘はメイン3人、サブ3人、うちフレンド・サポートを1枠設けて合計6人で望むことになります。

キャラにはHPとATK(攻撃力)、射程の長さ、常に発揮する、必殺技が存在し、キャラごとの特徴を活かすための3つのコマンドが存在します。

前に移動しつつ攻撃する進撃、その場に留まりつつ気力を溜めて攻撃する奮撃、後ろに下がりつつ攻撃する退撃の3つを駆使し戦況を有利に進めていくことになります。

しのの場合、射程は1の近距離アタッカー。HPとATKのバランスが整っていて、敵の攻撃に耐えつつ自分でもダメージを与えられるのが強み。
属性は彼女自身にしかない桜属性。どの属性に対しても得意も弱点もなく等倍で戦えることからクエストを選ばない強みがありますが、属性が揃ってくると火力が出しにくくなるといった弱点も備えることになります。
FGOのマシュを知っている人はそちらを想像していただければ分かりやすい。

むつはの場合、射程2で広範囲に攻撃できる遠距離アタッカー。極端なほど低HPと高ATKになっており、スキルも含めて全て攻撃特化型。
ゴリゴリと火力を出す変わりに、攻撃を受けるとほぼ二撃で落ちるため、絶対に敵の攻撃範囲内に入っちゃいけません。主人公のスキルのかばうや他のキャラの挑発などタンク役を配置して守る必要が出てきます。

星4ながら強キャラ筆頭のくすの。むつはと違い、技、個性、必殺技全てにおいてHP回復を持ち、自分の狙われやすさを下げることでタンク役をサポートしつつ自分で殴っても火力も出せるキャラ。しかも攻撃力バフ持ち。なにそれ強い。
射程1のタンク型キャラとくすのを自分とサポートの2人揃えて、常に前衛のひとりをHP回復させながら戦う耐久型パーティーの『くすのシステム』は強力な編成のひとつ。くすのを持っている人は星5よりも先に育成するのも手。

戦闘面で重要になってくるのが編成と位置取り。性能を見てもらった通りHPとATKのバランスがかなり尖っていることからも、適当に距離を詰めてしまうと育ったキャラでも雑魚敵にポーンとやられることもあります。
遠距離ATK寄りのキャラばかり入れると、速攻できるなら1ターン瞬殺を決めたり遠距離から俺のターンを繰り返し、少しでも長引くと近寄られてパーティー壊滅、と極端な結果も余裕で起きます。なまじオートでやってるとなんで全滅してるのかわかりにくかったり。

この距離の概念があることで、敵の必殺技を距離を取って回避することも可能。
逆に退撃を使いすぎて画面に追い詰められると、下がる場所が無くなり回避することはできなくなります。格ゲーの画面端。

 

サクラ革命の感想

戦闘は考えてやれる分、面白い!

FGOと似たイメージで考えていたんですが、思った以上に面白いと感じましたね。

戦略性が多くあってドラクエのようなターン制で行動順も固定ではあるんですが、位置の関係で一方的に殴ったり、殴られるのを避けたりとちょっとしたシミュレーション要素も含まれてて、そこが結構ツボでした。

 

FGOのシステム使いすぎ問題

どれくらいFGOに寄せてくるのかは気になっていたんですが、思っている以上にFGOのシステムを使って来ました。

・主人公の性別
・育成システムのほとんど
・素材の落ちなさ

・キャラと護符(概念礼装)
・ストーリーの進行度
・一々うっとうしい敵との戦闘

など。性別に関しては、過去のシリーズが男性主人公のみだったことを考えると、寄せていると判断しています。

FGOでも思うんですが、ストーリーの進行上でいちいち雑魚敵と戦って話が遮られるのはなんとかならんのか、とほんとに思いますね。

新しい乙女と出会う敵だ!(会話が進む)敵だ!!

という展開がなかなかに多いです。オート機能がある分、育ててさえいれば勝手に進んでくれるんですが、ストーリーにテンポの悪さをどうしても感じてしまいます。

育成に関しても、素材の落ちなさから限界突破をしていくのがかなり困難。ここらへんもFGO基準なんでしょうか。
今の段階でレベル80まで上げている人を見るとほんとリスペクトしかありませんが、それにしたって渋いじゃ済まないほど出ない出ない。

たくさん出せ、楽をさせろ、じゃないんですよね。せめてバランスを整えてくれ、と。

あまりにも出ないからストレスの溜まり方が凄いです。

イベントクエストが始まったことで、報酬交換で素材アイテムが獲得することができるようになり、ほんのりとサービス開始直後よりも緩和はされました。

今後も継続的にイベントは行われるでしょうし、素で集めさせられることを考えるとマシなんですが、それでもちと厳しい・・・。

展開が全体的に唐突で作り込めていないように感じる

主人公が警察官として大帝国華撃団に所属となったのと、BLACKのライブに降鬼が襲来したのが同日。司令への就任となでしこの捕縛もほぼ日を跨がずに行われます。

BLACKの面々ともほぼ初対面に近いまま、リーダーの統星プラナと共同任務中になでしこと出会い、BLACKを離れることになります。

そんな程度の関わりしかない人間(主人公)から『君たちは吉良に騙されているんだ!!』と言われても信じませんし、いくら真実であっても薄っぺらく聞こえます。

相手に言葉を伝えたいなら、相応の信頼が無いと成立しません。全体的にそうなんですが、もう少し時間を使ってバックボーンを作ることはできなかったのかと。

BLACKに関しても、1年、せめて半年は同じ時間を過ごした上での関係であれば、主人公も隊員もお互いに思い入れができますし、余計に彼女たちを止めてあげたいと願う気持ちも強くなったはず。
降鬼=霊力の奪われた人間であることも伏せられたまま任務をこなしておけば、吉良に対する主人公の怒りや立場から来るやるせなさ、より悪を憎む正義の心に響いたんじゃないかと。

サクラ革命の魅力でもある『対立する2つの帝国華撃団』を、主人公はその間に立って率いることもできたのかもしれませんが、現状BLACKのメンバー側からすると、主人公って「ちょっと良さ気な指揮はしたけど、すぐに裏切った訳の分からない人」でしかありません。

桜めっちゃ咲いとる。

他にも、事前登録段階で見ていて、桜が枯れたのは16年前の厄災からかと思っていたんですが、吉良が新帝都タワーの稼働宣言を行ってから突如枯れ、それからは青ヶ島でしか咲いていないことになっています。

そんなめちゃくちゃ短期間で全国中で『桜が枯れたんだよ』って認知されます???
情報の拡散スピードが早いのはツイッターを含め現代を見ていれば分かるんですが、それにしたって根強く情報が浸透しきらないと思うんですよね。

『10年以上、日本では桜が咲かない』のと『なんか急に桜が枯れて咲かなくなった』のとでは、重みも捉え方も全く変わってきます。ミライの稼働と同時に枯れたことからも、理由はあるんでしょうが、やはり唐突さが凄い。

世界観の設定において、時間を経過させることの重要さがあまり感じられません。

例えば、桜が咲かなくなったて10年以上経った、とします。桜を見る意味というのは、彩りのある光景を見て、心を落ち着かせたり、感動したり、それらが発展していき花見という風習が出来て文化となります。

それが無くなったらどうなるか?人の心が少しずつ沈みやすくなったり、落ち込みやすくなったり、それが当たり前になってしまい荒んだ心になりやすくなる・・・、と世界観作りに役立ってくるんですよね。
その結果、本編のPVで虚ろげな目で生きている人だらけな世の中の原因のひとつになってしまっている、と言われたら世界に説得力が出てくるように私は思うんですが、あんまりそうは感じられないんですよね。

第一章の最初となる鹿児島解放戦に関しても、閑散とした鹿児島が解放後に何事もなかったかのように急に人が出歩きだしたり、ミライを奪われて腕が降鬼化していた大隈まみやの弟も前置き一つなく登場。

鹿児島編は終始突っ込んで行くまみやを主人公達でフォローしつつ、弟さんの話を聞いて、じゃあ助けるべ!突撃―!!で解決します。
間に、実際に弟さんと出会って降鬼化しかけている状況を挟んで、ワンテンポ入れたりした方が良かったように思うんですよね。
降鬼に変わってしまうことの驚異を再確認する意味も欲しかったなと。
ハッピーエンドで終わるのは大歓迎ですが、前兆もなく余韻もないと、いくらハッピーでも「そうなんだ、へ、へぇー・・・」としか思えません。

新サクラ大戦のときにも思ったんですが、整合性が感じられず、違和感を覚えることも多いです。

ストーリー上仕方ないんですが、全国手配されているはずの主人公が鹿児島から全国へ渡っている間にも、少数の降鬼しか送り込まずやすやすと旅行させてるんですよね。
一章終盤の福岡まで、他の都道府県を解放するんですが、それにしてもかなり陽気な旅が続きます。実に和やか。
厳しい状況下で常に戦い続けろ、というのではなく、余裕を持って行動ができるならそれはそれで描写が必要じゃないのかなと。

そもそも、吉良首相は自分自身が欲していた”天眼通”持ち(主人公)が敵に回ったんだから、全力で追いかけないと駄目でしょ!!

霊子ドレスのデザイン

サクラ革命でキャラが着ることになる霊子ドレス。体に身につけることで能力を発揮することになります。

HP偏向型の霊子ドレスは全体的にゴツく、特に下半身がエライことに。

九州編では家柄の強キャラっぷりと本人の驕らない姿勢が印象的だった天神ひめかさん。
下半身が逆襲のシャアのナイチンゲールのようなずんぐりむっくりしたスカートになっていて、バランスが悪く見えます。ナイチンゲールは全体の造形美でずんぐりしているだけなので、バランスが悪いわけじゃないんですよね。

デザインもそうなんですが、機能性に関しても生身が晒されているため、機械部分ではなく直接操縦者を狙えば終わりでは?と思ってしまいます。視認できない距離からの一撃で反応を遅らせてドカン。

 

ガンダムなどの乗り込むタイプのロボットも、ライダーなどの変身スーツも、極力操縦者を守ることを重視していて、だからこそ機能性を最大限に活かすことができるような作りになっています。

こういうところも作り込み不足故に見えます。霊子ドレスを着ることで、全身への防御効果が認められる設定があればよかったんですが。

例えばガンダムの世界では、ロボットに白兵戦をさせたい富野由悠季監督の意向を汲んで、強力な電波障害を広範囲に起こす『ミノフスキー粒子』をガンダムの世界に作り出しました。

レーダーなどの視界が遮られるからこそ、小回りが利く『モビルスーツ』が戦争の主軸になり得たという経緯があります。
ミノフスキー粒子が無いなら、戦艦同士のやり合いで終わりですからね。銀河英雄伝説などがそっちに該当。人形機動兵器が一切登場しません。

そんなこと言い出したら日本製RPGの薄着をしたキャラはなんだよ!と言われるかもなんですが、SFとファンタジーはこの辺の設定に対する判定の違いはかなり明確なのではと私は思います。剣と魔法の世界なら、なんか妙な説得力ある気がしません?

ソシャゲである以上、登場人物が増え続けていくことから専用機とは言え霊子甲冑ではデザインに限りがあることから取られた措置なんでしょうけど、奇抜なものも多いのもちょっとマイナス評価。普通に剣、槍、斧、弓などの武器で攻撃する子が少ない・・・。

個人的に好きな霊子ドレスは九重めい。攻撃手段がペンと本の形なんですがデザインがシュッとしていて比較的スリム。片側マントの”中二病”感が本人を良く表しているのもグッド。

それぞれの乙女が持つ個性とカッコよさ、可愛さを同居させるって凄く難しいことだとは思うんですが、そこを突破してこそ素晴らしいゲームの一歩だったのでは?とも思わざるを得ませんでした。

まとめ

大きなバグや不具合はなかったものの、大小さまざまな不評を重ねてしまったサクラ革命。

過去のサクラ大戦から大きく乖離してしまったこと、キャラデザの第一印象の悪さ、セガとディライトワークスの両社のゲーム制作・運営における低い評判。

それらがネガティブな方向に絡まってしまった結果、初動から大きく期待値を下回る今を作り出してしまいました。

私自身の感想としても、“悪くはないけどありふれたソシャゲ” という結論ですね。

それでも、ヒロインのしのは凄い可愛くて前向きな性格やおバカさが個人的には好きですし、思っているよりも戦闘面は戦略性があって考えていく部分が多いのも嫌いじゃありません。

現状抱えている問題はゲームとしての問題そのものであって、ここから人気作にまで登っていくならかなり無理を通さないといけません。
細かくデザインを見直していったり、システム面を改修していったり。できるならリリース後から調整してある状況がベストなんですが・・・。

とは言え、なんだかんだ言われながらも初期FGOを立て直したディライトワークス。ここからの大逆転もあり得なくはないかも?